今日も、東京に重い雨が降り注ぐ。傘に跳ね返るバチバチとした音も、鼻につくホコリと湿気が混ざった匂いも、今は全て好きになれる。
だって、こんな雨の日は積怒に会えるから。梅雨万歳!!
もう地面から可楽自信が浮いてるんじゃないかというくらい気分も浮かれていた。
好きな奴に逢いに行くとはこんなに楽しく、照れくさく、待ち遠しいものなのか!
可楽は今人間である自分の力が出せる限り急いで行った。
積怒は、あんな無茶苦茶だった約束にも関わらず、雨の日は毎日公園に来てくれた。
大体可楽より先に東屋に着いていて、いつもと変わらずワイシャツにスラックス、組んだ足の上のノートパソコン、コーヒーチェーン店のカップがいつもの積怒のスタイルだ。
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