ホストパロ ネオン煌めく街を、娘と二人で歩く。周囲は過剰なまでに電飾で彩られた店がひしめき、雑踏を作り上げる声は下品な言葉で満ちていた。
ルシファーはそれらに辟易しながらも、娘の後をついて行く。普段は通りがかることすらしない場所に来ているのは、彼女に頼まれたからだった。
「友達を紹介したいの」
チャーリーにそう言われたのは、定例の食事会の時だった。
離婚した妻に引き取られた娘との面会は、ルシファーの数少ない楽しみの一つだ。会う度に成長していく娘の姿に喜び、それを具に見守ることができないのが寂しかった。
それでも、チャーリーが面会を断ったことは一度も(思春期でグレてた時も)ないし、恋人ができた時は必ず紹介してくれた。離婚後も良好な関係でいられたのは、偏に元妻の教育の賜物だろう。
5524