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    だろい

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    だろい

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    前に書いた殺し屋凛ちゃんネタの再録

    殺し屋凛ちゃんと拷問ハーレム王「あ」
    「げっ」

     新鮮な空気を吸いに凛が屋上に訪れるとそこには先客がいた、顔を顰めた凛を見ても相手はケラケラ笑いながら「こっち来いよ凛ちゃーん」と言う。
     クルリと踵を返すと相手はまぁまぁまぁまぁまぁまぁと気軽に凛の肩に腕を回す、ベシッと叩き落としてもケラケラ笑うこの男は凛が最も苦手とする相手の一人だ。
     男の名前はダグラス、凛が所属するマフィアグループの拷問師だ。凛やアリスとほぼ同時期にグループ入りし、早くに拷問をする役職に就いたアリス曰く、女至上主義のクズ野郎。
     凛がダグラスを苦手をする理由は凛の依頼に+αな要求をする事にある。元々凛は人を殺す事に躊躇いはない、それは凛に殺人衝動があると教えてくれたオリヴァーが言った事で、その上で凛の持つ衝動に素直に従えば良いと言った。
     元々凛がオリヴァーに買われたのは殺しの腕だ、迅速かつ確実に相手を殺せる事を望まれている。
     だがダグラスはその事に異を唱えた。

    「だってすぐ殺しちゃったら情報引き出せないじゃん! 出来るだけ生け捕りにしてよ!」

     始めにその要望を聞いた凛は思わず天を仰いだ、凛の持つ最大の武器を殺せと言っている。
     でもダグラスの言いたい事も分からなくはない、情報を引き出す事はとても大切だ、優秀なハッカーであるアリスも流石に本人しか持っていない情報を引き出す事はできない。
     だからこそダグラスの出番と言い訳だ、ダグラスが引き出した情報を元にアリスが調べればあとはトントン拍子。そう言う部分もあってアリスはちょくちょくダグラスと話す機会がある。
     が、アリスはアリスで仕事以外でダグラスと話したくないし一緒にいたくないし、何なら同じ空気すら吸いたくないと言う。
     それは何故か、理由は単純でダグラスは女に目がない無類の女好きだからである。
     たまに凛も見掛ける、アリスを口説いているダグラスの姿を。その度にアリスにお熱なディラスが二人の間に割り込んでいる、これが俗に言う三角関係かと凛はぼんやり考えた。
     閑話休題。
     取り敢えず凛がダグラスを苦手とする理由は大まかに二つ。凛の仕事に対しての割りと無茶振りな要望をする事、興味もない女の話を永遠と話し続ける事、この二つだ。
     凛とて、女に興味があるかないかで言えば、まぁ18歳らしく普通に興味はある。
     だが殺しをするようになってから男も女もその面の下にあるのは赤い地肉であると事を知っている、要するに面だけで見てる人はその面がなくなったら興味を失ってしまうと言う事だ。それに女との関係を持っても凛の殺人衝動を考えたら結局殺してしまうのが関の山、やっぱりそんな関係持つだけ不毛だろうと、凛は割りと早い段階で性欲を切り捨てた。
     だからダグラスが凛に対して女の良さとは何足るか、と言う話を聞かされるのは苦痛でしかない。
     一応凛も最初は興味がないながらもダグラスの相手を(内容は全く覚えていない)していた、だが流石にしつこい。その上ダグラスは凛が女に興味がない事を分かっていた、のでダグラスは完全なる親切心でマフィアグループ御用達のデリヘル嬢を凛の部屋に呼んだ、これによって今まで我慢に我慢を重ねていた凛の堪忍袋の緒が切れた。
     それ以来凛はダグラスに対して仕事関連以外で話さないよう心掛けている、だと言うのにどうして今肩を組ながら(凛の本意ではない)女との複数関係を保つ方法とやらを教えられているのか。

    「良いか凛ちゃん、女に興味がなくともその内役に立つから聞いとけよ」
    「興味ない、あと凛ちゃん呼びやめろ去勢すんぞ」
    「殺意タケェー。取り敢えず最初に目を付けた女に聞くんだ、他の女との複数関係を許容するかどうかを」
    「勝手にやってろ、あと離せ」
    「そんで恋人関係になれたら複数のスマホを所持する、具体的に言うと女の人数分のスマホだ、ンでそのスマホに一人ずつ専用で連絡先を入れる。因みに俺は十人ぐらいの女と恋人関係にあるからスマホは10台所持してる、金には余裕を作っとけ」
    「話を聞け年中発情期」
    「ここからが重要だぜ凛ちゃん。恋人から連絡が来たら例えどんな用事が詰まっていても恋人の呼び出しを最優先にする、深夜だろうと仕事中の真っ昼間だろうと絶対に恋人の元に向かう」
    「オリヴァーがお前に対してキレてた理由が今になって分かった」
    「プレゼントも欠かすなよ、一番良いのはその恋人が一番欲しいハイブランドな物だな」
    「だから万年金欠なのかよ」
    「それと女の話は取り敢えず同意をして、出来る限りの共感するんだ。「そっか」「辛かったね」「大変だったね」「お疲れ様」「分かるよ」、言葉はなんでも良い、女って生き物は自分の事を話す時大抵はアドバイスや正論を聞きたいんじゃない、ただ話を聞いて欲しいだけなんだ。一度でも助言でもしてみろ、もう人の話を聞かないモンスターになっから」
    「アリスが気色悪いって言ってたのそれか」
    「これだけで凛ちゃんも立派なハーレム王になれるぞ! それに凛ちゃん面が良いからすぐに女が集まると思うぜ!」
    「話しは終わりか? 俺はもう行く」
    「連れねー事言うなよ凛ちゃーん、絶対将来的に役に立つからー!」

     思った以上に下らない話ではあったが、実際女を懐柔する時にダグラスの言っていた事を実践したらコロッと女は凛の言う事に対して素直に従った。
     あんな女至上主義者でも役に立つ時は立つのだなと、ほんの少しだけ見直した。
     後日、ダグラスから「女を抱いた感想は?」とニヤニヤ笑いながら振った下世話な話題にアリスがローキックをしていた。



     ……
     …………
     ………………
     …………
     ……



    「って言うのが俺がマフィア時代にいた一番苦手な奴だったな」
    「ちょっと待ってまさか俺と会う前に女と付き合ってた事あんのかよ凛!?」
    「は? ある訳ないだろ、俺が今まで好きになった奴事があるのはお前だけなんだから」
    「凛!!!!!」

     んべ、と舌を出して煽り潔にキスをした。
     やっぱり女よりも、好きになった人間と一緒にいる方が凛の性に合っている。
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