未だ雌伏の時か、目覚めはまだか「寮長になるにはどうしたらいいか、だって?」
リドルはぱちり、とまばたきをするとエースの目を見た。
「なんだい?又僕と決闘をしたいの?」
出会った頃は頑なで張り詰めていた雰囲気もあの事件の後から徐々に柔らかくなり、今ではすっかり風格も身に付いたハーツラビュルの女王は薄く微笑んだ。
「や、そういう訳じゃ無くて…。」
入学したばかりのあの頃ならいざ知らず、今となってはリドルにかないっこない位のことはわかるようになった。なんならあの頃よりも差は広がっているかもしれない。
ただでさえ一年の差があるのに、学年主席を保持するリドルと、中間位をどうにか維持しているエースでは差が広がっていって当然なのだ。年齢というハンデをものともせず、寮長の座を奪い取ったリドルの凄さを改めて実感する。
3192