部室で勉強「栗山って勉強どうしてるん?」
映画を見る部の活動は受験勉強がひっ迫してきても続けられた。
部長である栗山がいなければカギは閉まっていたし、部活動は休みだ。
出場する筈だった合唱コンクールよりも狂児の無事を確認することを優先した聡実は図書室で合唱部の部員と会うことも気まずく感じ、解らない問題があった時の相談相手に悩んでいた。
「勉強?」
栗山はスクリーンから目を逸らすことなく聞き返してくる。
「うん。受験勉強。ちょっとわからんとこあって」
「先生に聞いたら?」
それは確かなのだが。
「タイミング悪いんかいつも聞き損ねる」
もしくは他の生徒の質問に答えていたりとどうも上手く質問できない。
「僕は、」
「うん?」
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