遥か遠く、桜の下でまた君と『君にまた逢えるように……桜君。オレ、頑張るよ』
ぐぅぅぅぅ。
「お腹空いたね。見回りしながら何か食べるかい?」
今日一日の学校生活を終えた頃、育ち盛りの腹はとっくに空腹で、腹の虫が大泣きをしている。蘇枋は桜の腹の音を聞いて、笑う事なく買い食いを提案した。
「なんか、あったけぇモンがいい」
今日はパトロールの見回り当番ではないが、放課後は真っ直ぐ帰らず寄り道がてら、街の見回りをするのが日課になってしまっていた。
季節はもうすぐ春を迎えるが、まだまだ夕方の風は冷たい。桜はブルっと肩を震わせながら体が温まる食べ物を考えた。商店街近くは当番のチームが巡回しているので、そのエリアではない別の道を選ぶ。二人が歩く大通りは買い物がメインの商店街とは違って、飲食店やコンビニが並んでいた。
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