サンクチュアリ「……、あれ。オレ、寝てた……か?」
「あ、桜さんおはようございます。具合、どうですか?」
「ぁー……たぶん、ふつう?」
「多分ってなんすか、自分のことでしょう?」
ぱちりと目を開けると、ベッドサイドで椅子に腰かけていた楡井がほっとしたように桜の顔を覗き込んだ。最後に覚えている光景はリビングだったはずだから、どうやらまた倒れてしまったらしい。心配そうな顔をしてこちらを覗き込んだ楡井が、そのままちゅっとやわらかく口づけてくる。桜は反射的にんっと目を閉じてその口づけを受け入れ、やさしく触れる楡井の手に身を委ねた。
「もうちょっとで蘇枋さんも帰ってくるって連絡来てましたよ。よほど心配みたいっすね」
「ぅ……なんか、ワリィことしたな……」
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