grá an tsolais「すげぇ…、本当に綺麗だな…。」
「そうだね。」
壮大な夜空に青、緑、水色の光の帯が広がり揺らめいている。これが自然が織り成すモノだと思えない程の美しさがあった。ふっと横目でルークを見ると、この幻想的な光景に目を輝かせている。ルークが一緒に見たいと言ったから着いてきたが、見れて良かったと自分らしくない事を思う。
「なんかオーロラ見ていたら、過去の事思い出すな…。」
「そう?」
「うん、今までこんな景色見る余裕もなかったし、何より元々敵同士だったシンクとこうして同じ景色を見れるって奇跡だなって、凄いなって思って。」
「確かにお互いこんな風に「空」を見ている暇がないくらいに必死だったしね。」
だからこそ、残酷なまでに美しく見えるのかも知れない。そっと目を閉じると思い出す。ルークと初めて会った事、恋人同士になった事。そして、最終決戦等で対決し敗れた事。決して良い思い出ばかりではないけれど、それでもボクにとっては大切なものだ。
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