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    smch_07

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    smch_07

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    1つ前のポイピク
    https://poipiku.com/9939981/11145388.html
    より。考えすぎて短編がうまれました
    N→Tです
    文字を書きなれていないので温かい目でみてね
    ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

    「南北」

    「起きてる?」

    「うん」

    「行っていい?」

    「うん」

    眠れない夜、東西は僕のベッドにやってくる。

    自分の時間を邪魔されるのが嫌いな僕が、夜、チャットアプリの通知を切らないのは、このためだ。
    断らないのは分かっているだろうに、それでもあえてか、または申し訳程度の礼儀か。毎度伺いを立てられては、それを受け入れている身として、文句は言えなかった。

    東西は僕の部屋の鍵を開けて入ってきて、鍵を閉めて、靴を脱いで、寝室の床を鳴らす。
    そうやって耳だけで彼の行動を追っていると、ひやりと冷気が肌を撫でて、同じ冷たさをした体が滑り込んでくる。

    「すぅ……」

    背を向けているので僕から東西のほうは見えない。

    けど、
    僕の首筋に顔を埋めて、きっと、胸いっぱいに僕のにおいを吸い込んでいるんだろう。
    僕の体をやわらかく抱きしめて、きっと、その厚みに安堵しているんだろう。

    その全部が、ほかでもない、僕への愛おしさで溢れている。
    断言できる。知っている。

    それが、僕の求めるものではないことも、よく知っている。

    東西は、僕への愛を隠さない。
    隠さなくていい愛だから。

    掛け布団の下でふたりの体温が同期していく。
    下唇を強く噛む。
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