その"なまえ"はーーー初恋だった。
無条件に僕を認めてくれる人がいるなんて。
でも男同士で、本当のこと言えるわけが無い。
ずっと抱えてきたこの想い、みんなにはお見通しで「相談しろ」って怒られた。
消灯後に抜け出して夜空を眺めながら苦しくて悲しくて辛くて、泣いた日もあったけど。
嬉しくても涙が出るんだって初めて知った。
ーーーーーー今日はレインくんの卒業式。
学校で会えるのはこれで最後。
レインくんは神覚者だから、今までよりも忙しくなる。
皆もそれでいいのかって心配してくれたけど、僕は決めたんだ。
僕の意志の強さに「もう、仕方ないな」と困ったように笑いながら協力してくれた。
最初で最後の恋文。
好きです。
これが今の僕に出来る精一杯の告白。
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