貴方と生涯を共に俺は、リコと結婚した。
兄貴には真っ先に話した。
初めは、凄く驚いていたけど、
笑顔で「おめでとう」と言ってくれた。
後日、皆には、俺とリコで話した。
内心、ドキドキした。
皆、「結婚おめでとう」と言ってくれた。
皆からの、お祝いの言葉が嬉しくて、泣きそうになった。
結婚するきっかけは、リコと生涯を共にしたいと思ったから。
こんな俺を好きになってくれて、恋人になってくれて嬉しかった。
自分は鈍感で、最初はリコの気持ちにも、
自分の気持ちも全く気付かなかった。
だけど、ある時、リコの顔を見てドキッとした。
(ん...?今、何でドキッとしたんですかねぇ...)
理由が分からなくて、モヤモヤした。
ある日、自主レッスンをしているリコを見かけた。
その時のリコの表情が、凄く色っぽくて、ドキドキした。
(...!)
その時気が付いたのだ、自分はリコを好きだと。
恋愛感情で。
でも、こんな自分を好きになって
もらえるはずがないと諦めていた。
(人を好きになるって、苦しいんっすね...)
リコへの恋心を自覚したその日から、
苦しい気持ちを抱えたまま、忙しい日々を過ごした。
最近オレは、大牙を見ると、ドキドキする。
レッスン中の真剣な表情だったり、笑った顔とか。
あぁ、大牙の事が好きになったのだと。
恋愛感情で。
(言えない...、気持ち悪いと言われてしまうかもしれない...)
この気持ちを、心の奥底に仕舞おう。
そう決めた。
それから、一ヶ月ぐらいたったある日、
大牙や黒曜、晶と一緒に居酒屋へ飲みに行った。
沢山飲んで、大牙と晶が酔っ払ってきたので、
そろそろお開きにする事になった。
オレは大牙を、黒曜は晶を連れて、店を出た。
「悪ぃ、俺は晶を連れて行くから、大牙の事頼む」
そう言いながら、晶と一緒に帰って行った。
(大牙の家、どこか分からないし、オレの家に連れて行こう...)
大牙と一緒に自宅へ向かう。
運よく、タクシーが来たので、乗った。
自宅に着き、何とか大牙をソファーに座らせた。
(疲れた...)
水を飲みたくて、キッチンに行った。
大牙の分も用意した。
「大牙、ほら、水飲んで」
寝ぼけ眼の大牙は、渡したコップを何とか受け取った。
「大牙の家が分からないから、オレの家に連れて来たから」
「ふぁ~ぃ」と気の抜けた返事が返ってきた。
「大牙はベッドで寝て、オレはソファーで寝るから」
そう言いながら、ベッドへ運ぼうとした瞬間、
大牙が抱き付いてきた。
オレは内心混乱している。
(え?え?どういう事?)
「リコ~」と言いながら、力一杯抱きしめてきた。
(こんな事されたら、勘違いする...)
離そうとしたが、離れてくれない。
「リコ」
真剣な顔をしながら、オレを見つめてきた。
「俺は、リコが好きっす。恋愛感情で」
真っ直ぐオレの瞳を見ながら、抱きしめる力を強くしている。
キスが出来るくらい顔が近い。
真剣な瞳が、嘘を言っていないと感じた。
意を決して、自分の気持ちを告げた。
「オレも、大牙が好き...」
小声でそう言った。
「嬉しいっす!」
喜んでいる大牙の顔を見ていたら、自分も嬉しくなった。
じっと見つめ合って、それから、キスをした。
(好き...)
その日は、ベッドで抱きしめ合って眠った。
想いを伝え合った日から、時々お互いの家に
泊まりに行ったりした。
それから数ヵ月後、
プロポーズの為に、リコには内緒で指輪を買った。
後日、俺の家に泊まりに来た時に、プロポーズをするつもりだ。
リコが泊まりに来たので、食事の後に、話しがあると告げた。
「うん」と返事をしてくれた。
返事を聞いた後、用意しておいた指輪の入ったケースを取り出し、
「お、俺と!結婚してください!」
指輪を見せながら、必死になって言った。
俺の必死な顔を見たリコは、一瞬、ポカーンとした顔をした。
その後、「オレの事だけ愛して、一緒に幸せになってくれるならね」
顔を赤くしながら、少し涙目のリコを見た俺は、
「嬉しいっす!リコだけを愛して、一緒に幸せになるっす!」
リコを抱きしめて、キスをした。
リコと結婚出来て、毎日幸せだ。
こんな美人さんと、恋人になれた時も、
こんな俺を好きになってくれて嬉しくて堪らなくなった。
色々あったけど、今はとても幸せ。
リコの色々な表情を見られるのも、俺だけの特権。
顔を赤くしたり、寝顔を見たり、
嬉しそうな顔を見るのも、俺だけ。
そう思いながら、眠っているリコの寝顔を見ながら
幸せを噛み締めた。