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    おいなりさん

    カスミさん……☺️

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    POIPOI 78

    おいなりさん

    DOODLE酔っ払った真珠くんはきっと可愛い。酔いの口。


    「おれのことなんかどーでもいいんだ」

    拗ねたようにそう言う横顔を盗み見ながら、ぽちぽちとスマホの画面をタップする。
    ぷくっと膨れた頬を突いてみたい衝動を押さえつけるのには中々骨が折れるものだ。

    「ねぇ、まだ?」

    蜂蜜色がこっちを見る。
    下睫毛に乗った小さな硝子玉は今にもぽろりと溢れ落ちそうだ。

    「んー、もうちょいッス」

    晩酌にと開けた缶チューハイ。
    いつもよりも少し度数の高いものを買って来ていたせいか、真珠の膨れた頬はすっかり紅潮している。
    仕事の緊急メッセージだからと少しばかりスマホに手をやっただけなのだけれど、真珠は恨めしそうに手の中の機械を睨み付け、それから膝の上にごろんと寝転がって来た。
    画面に目を落としてから30秒も経っていないのに機嫌は急転直下、一体何をしているのか、膝の上でモゾモゾと動いている。

    「ねぇ〜、はやく。はやくーーー」

    バタバタと足を動かして、それに飽きたら今度は顔を腹の方へ向け、スンスンと匂いを嗅いでいる。
    服越しに嗅ぐだけでは満足できなかったのか、裾を捲り上げて頭を突っ込むと、深呼吸をするような音が聞こえ始めた。
    腹を撫でる真珠 896

    おいなりさん

    DOODLEちゅーしてるだけの話。
    ※付き合ってはない2人。
    キスのはなし


    何となく、口寂しさを感じて取り出した箱の中身は、いつの間にそうなっていたのか、空だった。

    「めずらしいね」

    階段を登りかけで、蜂蜜色の目をまん丸くしてそう言う真珠は、煙草の煙が苦手な筈だというのに、時折こうして喫煙所へと足を運ぶ事がある。
    その理由なんていうのはひどく単純なのだけど。

    「カスミ、店に居なかったからさ。ここに来たら居ると思って」

    嬉しそうにそう言う。
    付け加えて、他の喫煙者たちがバクステに居たから2人きりになれると思ったし、とも。
    いつもの香りだけを残してぽっかりと口を開いた箱を少しの間見つめていたが、そうしていても新しく煙草が湧いてくるわけでもなし。
    くしゃりと箱を潰して、ポケットに乱暴に突っ込んで、それから真珠に手招きした。

    「おいで」

    その言葉に、素直に走り寄ってくる真珠は本当に可愛らしいと思う。
    だから、こんな言葉を使うべきじゃないのだけれど。

    「カスミ、」
    「真珠が煙草の代わりになってみるッスか?」
    「へ」

    伸ばした手で捕まえた真珠の腕。
    少し引いて、もう片方の手を真珠の頭の後ろへ。
    そうしてすっかり逃げられないようにしたら、後 717

    おいなりさん

    DOODLE真スミでホワイトデー
    ※まだ付き合ってない
    2/14、バレンタイン。


    恋人も居なかったし、店にやってきた麗しの姫君達から、付き合い上仕方なく配っていた愛を受け取り、(時折本命だと渡してくる不思議な姫もいたけれど)何事もなく普通に過ごした。
    中には直接ではなくいつの間にか貰ったチョコの中に混ざっていたものもあった。
    差出人は不明だったけれど、甘いものには目がないので家に帰り一人きりの時にひょいと口に入れた。
    何かやましい薬が入っていたとしても一人なら誰彼迷惑をかける事もないだろうと思ったからだ。
    幸い体調に目立った変化はなく、味も十二分に美味しかったのでラッキーだった。
    こんなに美味しいのに残念ながら食べることができず残ってしまったチョコの入っていた箱は、中身を空にしてしまえばもう用はない。
    なのでゴミ箱に捨てようと持ち上げた所で、包み紙と箱の間からぽろりと一枚の厚紙が落ちてきた。
    それはメッセージカードだった。
    箔押しの簡易的な飾り枠の真ん中には手書きで"すきです"とだけ。
    裏側を見てもやはり差出人の名前は書いていない。
    書いてはいない、が。

    「……この字、見た事あるな」

    誰に言うでもなくそう呟いた唇で、メッセージカード 2679

    おいなりさん

    DOODLEブラライ後の☀️👤「カスミはさ……誰が一番カッコよかった?」

    クッションに顔を埋めたまま、丸くなった真珠がそんな風に呟いた。
    耳を真っ赤にして、首まで紅潮させて、聞きたい気持ちと聞くんじゃなかったという後悔が綯交ぜになったように丸くなった背中は、それでも懸命にたった一つの答えを求めている。
    期待に応えるのは容易いだろう。
    真珠を喜ばせるのは自分にとっても嬉しい事だ。
    けれど、聞かれているのはあくまで真摯に自分の中でどうだったかという事だから、正直に答える事にした。

    「そうッスね〜、自分としては、ケイと晶ッスかね〜、選ぶのは難しいッスけど、どちらかと言うと……うーん、晶ッスかね」

    クッションに突っ込まれた頭がさらに深く沈み込み、その奥の奥の奥の方から、ゔぅ、と呻き声が聞こえる。
    やっぱり聞くんじゃなかった、なんて言葉が全身から溢れ、器用に狭いソファの上をコロコロと転がっていく。
    端っこまで辿り着くと、自分と大差ない身長差とは思えないくらいに小さく収納された真珠の身体は、外敵から襲われたダンゴムシのようにも見えてきて、ほんの少しだけ笑ってしまった。

    「真珠」

    ソファの背もたれに片肘をつき、もう片方 1724

    おいなりさん

    DOODLE推しカプが別れ話をするっていうお題(?)の真スミ別れ話をしよう

    「別れたい」

    そう切り出してきた真珠の目は真剣そのもので、その言葉は嘘でも冗談でも無いのだとわかった。
    だから、と言うべきか。
    カスミは少しの間真珠を見つめた後、穏やかに微笑むとこう言った。

    「分かりました。今まで、ありがとうございました。楽しかったです」

    それはそれは丁寧に、優しく、慈しむように。

    休日の昼下がり。
    冬の穏やかな陽光に照らされたカフェテラスは、カップルらしき二人組がそこかしこで仲睦まじく微笑みあっている。
    春の麗らかな陽気の中、満開に咲き乱れた花畑のようなその空間ーーの、一番端の席。
    まだ湯気の立ち昇る珈琲をゆっくりと飲み下し、ふぅ、と溜息を吐いたのはカスミだった。
    しかしその溜息は全くと言って良いほど落ち着いていて、周りの空気にも馴染むようなものだった。
    それだというのに、正面にいる真珠は、ちっとも穏やかではなさそうだった。
    まるでそこの一席だけ切り取られ、別の空間にいるような。

    「真珠、冷めちゃうッスよ」

    そう掛けられたカスミの声も聞こえていないようだった。
    真珠の周りは何故か極寒の地で雪が吹き荒れ、この世の終わりような空間になってい 3808