共に巡る世界はあの日を境に、帰投したエウリノームを出迎える様々な言葉の中に「おかえり」の一言が増えた。
それは、たった一度の例外を除いて変わることはなかったという。
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バールベリトの部隊合流が済んだ頃、
当初はフライナイツ所属のエリート野郎が何の用だ?と警戒する者も少なくなかった。
数ある部隊の中でも戦果は群を抜いているものの、
実態が不明瞭でブラックボックスのような集団と認識されているため警戒されるのも無理はない。
しかし、開口一番の「バールベリトだ。よろしくな!」という軽やかな挨拶、
「え、すっげぇ……!何それどーなってんの?俺も知りてぇ。教えろよ!」
と誰にでも声をかけ素直に学んでいく姿、人の輪に自然に溶け込む人柄に古参メンバーの警戒も次第に緩み、そこまで時間を要することなく部隊に馴染んで行った。
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