青龍の苦悩―――月明かり、自室の窓にもたれかかっている一人の少年。見た目は少年だが、実際は軽く500年は生きており、四神の一柱、「青龍」剣持刀也である。
そんな彼は、まるで誰かにアピールでもするかのようにぐでっと普段めったに崩れない姿勢を崩して恨めしいくらいに光り輝く月を眺めている。毎度毎度しっかり仕事をこなしている月の女神に罪はない。
しばらくそうした後、ふいに彼の口が動いた。
「.....はあ〜〜〜〜〜〜。」
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気づくとそんなため息が出ていた。ああ、疲れているんだと自覚するとともに襲ってくる眠気と疲労。今だけは自分にいつもの10倍の重力がかかっているのではないかと疲れであまり動かない頭でぼんやりと考えていた。
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