ガムテープ「パパー! これ取ってくださいですよー!」
帰宅したベールヴァルドに泣きついてきたのは、ガムテープを服や髪にくっつけたピーターだった。何事かと思いつつ半べそ状態の子供を抱き上げてやると、奥からティノが顔を出した。
「す、スーさん、おかえりなさい……」
ばつが悪そうにしている彼の髪にも貼り付いたガムテープを見て、ベールヴァルドは小さくため息をついた。
「……なじょした?」
ベールヴァルドはリビングのソファでピーターを膝に乗せ、服にくっついたガムテープを剥がしてやりながら、何があったのかを聞いた。
「パパに作ってもらったロボスーツで遊んでたら、腕のとこが壊れちゃったですよ」
ピーターが指さすのは、リビングの床に鎮座したダンボール製のロボットスーツ。先週の日曜にベールヴァルドがピーターの体に合わせて作ってやったものなのだが、今は右腕の関節のところがひしゃげてしまっている。
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