翌日の出陣について変更があり、出陣予定の部隊に入っている明石さんの部屋(というか来派の部屋)を訪ねると、戸は開いていて小さな寝息が聞こえた。明石さんは今日は非番、愛染くんと蛍丸くんは出陣中で不在。
今まで男士の、それも明石さんの寝顔なんて当然見たことがなかったので珍しいこともあるなと書類を机に置いて寝顔をまじまじと眺めてしまった。机に突っ伏して寝ている明石さんの眼鏡は外されていて、そういえば眼鏡をしていない顔も初めて見るなあとか、眼鏡をしてないとちょっと幼めに見えるなあとか、やっぱり男士は寝顔も綺麗だなあとか、いろんなことを考えていたら不意に手をきゅっと握られる。
「……国宝の寝顔は高いで?」
いつから起きていたのか、そう言って目が見開かれた明石さんの顔は見たことのないへにゃりとした笑顔で、不覚にも可愛いと思ってしまいそしてドキドキしてしまい。
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