in the pink 跡地の片隅、プリンタニア達の集団の真ん中。塩野は大きなプリンタニアの背中でうたた寝をしていた。
すあまとそらまめの定期検診の間、塩野は邪魔にならないよう屋外でプリンタニアと戯れるのが常になっていたが、眠ってしまうのは珍しい。そらまめを肩に乗せた佐藤とすあまが近付いても起きる気配がない。
横向きになって何か考え込んだまま寝てしまったのだろう。塩野は集中しすぎて糸が切れるように寝落ちることがたまにあるが、今日は徹夜作業の後で寝不足という訳ではなく、もちもちのプリンタニアの上でする日向ぼっこがよほど気持ち良かったのか寝入ってしまったようだ。ゆるく開いた口からは時折何か寝言が聞こえる。
塩野を乗せたプリンタニアがのりごこちよいでしょ、と言いたげな顔でこちらを見てきたので、佐藤は額の辺りを撫でてやった。足元ですあまが何か言いたげに見上げてきたので、抱き上げてなだめるように撫でる。乗せなくていいからな。乗せられなくてもすあまはすあまだからな。適材適所、適材適所。
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