泡沫「いつもありがと」
言葉と共にラッピングされた箱を渡された。
「俺からも!おめでとうございます!」
「いつも世話んなってる、だから」
「気持ちばかりですけど……」
「ずっと元気でいてねェ〜ボス」
「ほらたもちゃんも」
「ちゃあ」
次から次へと包みやら袋やらを腕に積んでいく。色とりどりに飾り付けられたそれらを落ちないよう丁寧に抱きかかえた。
「こんな素敵な仲間に囲まれて、アンタ幸せ者ね」
ふふ、と微笑みかけられ照れくさくなる。
「ブラック自身もだけど、この子たちのこともあるから、これからも――」
「やあ、サンシャインくん」
声に振り向く。
「あ。今はユーニッドくんか」
華やかな濃い香が鼻をくすぐる。
いつの間にか腕に重みはなく、虚空を抱えていた。
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