パンが硬いなら、スープに浸して食べよう。(パンが浸してあるとろとろに煮込まれた玉ねぎのズッパを飲みながら、故郷を燃やされ火事の中で己の親をそこに置いてきたままにしてしまったブロンドクラン夕の労働感染者の人格(性別はいとわない)を顕してとあるギルドリーダーの村に助けてもらったときに飲んだスープとして味わったことをここにまとめます。)
焚き火を囲みながら「なんの役に立てなくても腹は減るものなんですね」と呟くと剣だこが出来た手で背中を叩かれて「食える時に食っときな」明日から働いてもらうぜと着古した外套をたなびかせ己の恩人は自分のテントに戻って行ってしまいます。
遠くに置いてきてしまった家族を思い返しながら、視線を下に戻すと分けてもらったスープの中に先程まで無かった硬いパンが入っていることに気が付いたその瞬間に泣き崩れてしまいたい。
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