マリオンは、自室のベッドに腰掛けて脚を組んだ。ジャックの夕食で腹がいっぱいだと、心が落ち着く。
落ち着いて、マリオンが思い浮かべたのはガストの顔だった。今ごろまたヘラヘラ笑って、弟分とやらたちと遊んでいるだろうか。ノースの研修チーム部屋にいないなら好都合だ。
いたなら、大体いつもアイツはヘラヘラとマリオンに声をかける。「マリオン、何してんだ?」など言って顔を見せるので、手が空いていれば、別に声をかけられて嬉しいわけではないがマリオンはリビングで紅茶を淹れることにしていた。
自室で一人、マリオンは自身の唇へ指を当てた。
先日はガストにこの唇を好き放題されたのだった。ゆっくりと唇で上下に食まれ、厚い舌が内側を甘く舐り、息の仕方がわからずいる間に唇へ歯先をたてられた。
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