Recent Search

    蝋いし

    pixiv:http://pixiv.me/s_shiroi

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 58

    蝋いし

    DONEガスマリ、かくれんぼ ノースの研修チーム部屋の前に、ジャクリーンが小さくなってしゃがんでいた。
     何かカウントダウンしている。
    「にーじゅうに、にーじゅういーち」
    「ジャクリーン、何してんだ?」
    「あっ、ガストちゃま!」
     ジャクリーンは両手を振って、ガストに笑顔を見せた。
     迷子になっているならまた送り届けてやるが、ノース部屋の真ん前でそれもない。昼食帰りのガストがわけを訊くと、ジャクリーンはマリオンとかくれんぼしているそうだ。
     隠れるエリアはノースの共有スペースとマリオンの部屋で、ジャクリーンはカウントダウンがゼロになったらマリオンを探しに行くと言う。あのマリオンがかくれんぼ、とガストは意外に思ったが、マリオンはジャクリーンを含めて家族のノヴァ博士たちには驚くほど柔軟だ。表情も優しい。
     ガストが誘ってもかくれんぼしてくれないだろうが、ジャクリーンは特別なのだ。
    「いいこと思いついたノ! ガストちゃまも、かくれんぼに参加するノ!」
    「えぇっ、俺? 俺が隠れられる場所、あるか……?」
    「あと二十秒ナノ! 早く早く、ナノー!」
     ジャクリーンに急き立てられて、ガストはノース部屋に入った。
     隠れる場所と 4662

    蝋いし

    DONEガスマリ、続キス 朝のリビングには大抵、ガストよりも先にマリオンがいる。
     今日もガストがリビングへ入ると、ソファに腰掛けていたマリオンが顔を上げた。顔を上げて、何故かキッとガストのことを睨んだ。
    「へ? あぁいや、おはよう、マリオン。今日も早いな」
    「オマエが遅すぎるだけだ」
     声音からすると、マリオンは特別機嫌が悪いわけではないみたいだった。それでもガストにはどうもマリオンの様子がいつもと違って見えた。気のせいか? 相談しようにもレンはまだ寝ていて、ドクターはここ数日ラボにいてばかりだ。あの二人に訊ねたところで、まともに取り合ってもらえないだろうか。
     マリオンはタブレットで何やら資料を見ながら、紅茶のカップを傾けている。
    「マリオン、今から朝食を作るけど、マリオンも食べるか? 作るって言っても、トーストとオムレツと、あとサラダとかそんなだが」
    「いい。ボクはもう済ませてる」
    「そっか」
     マリオンはタブレットから目を離さずに答えた。
     マリオンがこっちを向いてくれれば、また睨みつけられるかどうかでマリオンの具合を量れるかと思ったのだ。が、マリオンはガストの方を向いてはくれなかった。まぁ仕方がない 6940