アンダーグラウンド・ホスピタル 珍しく天才は、Dr.ホワイト以外と電話をしているようだった。
「――ああ、解っている。では明日、いつも通り開院前だな」
そう言って電話を終えると、心底面倒臭いという様子でため息をついた。それからもう一度、はぁ、と息を吐き、携帯端末をソファに放り投げた。
「明日、どこかへ行くんですか?」
「……病院だ。不本意ながら定期的に通っている」
「そうなんですね」
なるほど、と合点がいった。たまに、天才は処方されたらしき薬を飲んでいることがあった。定期的に病院を受診していてもおかしくはない。ギガンブルーから帰ってきたあとは、薬を飲んでいる様子はなかった気がする。でも、やっぱりまだ具合が良くないところがあったりするんだろうか。
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