ペイと花怜が話してる話。朝から鬼市は騒がしかった。
ドォンドォンと何処からか大砲を打つような地響きと重低音が聞こえており、寝台に耳をつけて寝入っていた謝憐はそれに目を覚ました。
極楽坊の外では鬼たちが何やら喚いているのも聞こえる。何故、夜が本番であるここで、朝っぱらから鬼が右往左往しているのかと謝憐は思う。けれど、彼はここを治める城主とのめくるめく一夜で色んなことを試してみたせいで疲れ果て、とてもまだ起きる気にはなれなかった。花城の地盤であり彼との住処ということもあり、謝憐は安心しきって、また眠った。
ちなみに、花城は明け方に「俺は用事があるけど、哥哥は寝ててね」とニコニコ笑顔で謝憐にキスして姿を消している。
謝憐が起き上がって鬼市大通りを覗いてみたのは昼時であった。
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