瑞雲遠飛②(途中) 加護のついた装束を身に纏った魏無羨は、藍忘機と共に姑蘇藍氏の宗主である藍曦臣のもとを訪ねた。魏無羨の装束は加護が強く、彼の魔の気配はよほどの修為がなければ気付かないほどになった。
「魏嬰、兄だ」
「初めまして、魏無羨と申します」
「藍曦臣だ。沢蕪君と呼んでもいい。話は忘機から聞いているよ。よろしくね、魏公子」
丁寧に一礼した魏無羨と藍忘機に、藍曦臣は朗らかな声で言った。
「長老である叔父上は、君のことをあまり快く思っていないみたいだけど、忘機の客人であるからには、我々は君のことを歓迎するよ」
「ありがとうございます。――あの、やっぱり俺のこと、知ってるんですよね」
魏無羨が尋ねると、藍曦臣は否定しなかった。
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