いおりく進捗声を聞きたい
好きな人に好きって告白して、相手からも同じ気持ちだって言ってもらえたら、どんなに幸せだろう。
でも、現実はそううまくできていない。告白するのは怖いし、振られたら、ショックでご飯は喉を通らなくなって、夜も眠れないかも。そんな思いをするくらいなら、この〝好き〟は恋じゃなくて、仲間だからってことに……できたら、苦労しないか。
「いつまで眺めているんですか」
風邪を引きますよ。――中庭に出たのはほんの数分前だと思うのに、もう、これだ。
〝いつまで〟なんて咎めるような言葉選びをするくせに、一織の腕には彼のイメージカラーと同じ夜空色のブランケットが抱えられている。出会ってすぐの頃であれば「一織の過保護!」と頬を膨らませていたところだけれど、なんだかんだ甘やかされるのが心地よくて、最近では、素っ気ない言葉にまでニヤけそうになってしまったから困りものだ。
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