霧の森のリゼロン 5 重い瞼を開くと、白いシーツが目に入った。身体が思うように動かず、呻きながら身を捩ると、薄暗い石作りの部屋が見える。そこに、一人のエルフの男が立っていた。
白いブラウスに細身のズボンを身に着けた彼は、他の一般的なエルフと同じように無感情でとろりとした顔をしている。金色の髪は首のあたりで真っ直ぐに切られていて、彼はリゼロンが目を覚ましたことに気付くと、「お加減はいかがですか」と静かに尋ね、身体に触れて来た。
それでようやくわかったことだが、どうやら自分は後ろ手に縛られているようだ。その上から薄手のローブをかけられただけの姿でベッドに転がっている。ここがどこで、自分に何が起こったのか。少し考えると全てを思い出してしまい、リゼロンは苦い思いをした。
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