2 俺の絶望がわかるか いや、カレーうどんは本当に美味かった。汁まで飲み干して、ご馳走様ですと手を合わせ。それから俺は、改めてベースの神へと近付いて行った。
ロックスキスギは俺に気付くと演奏を止めた。おもむろに楽器を下ろしながら、「お会計、アッチ」と言ったので、普通にレジと間違えられたみたいだ。
「あの、俺、アンタとどうしてもセッションしたくて!」
「カリウドン、600エン」
「や、あの、お金は払うけど、俺、」
「ヤダ」
また断られた。とりつく島もない、とはこのことだ。心が折れそうになったが、ここで負けてたまるか。もう俺には失うものはそんなにない、とことんいっちまえ。
「そこをなんとか」
「ヤダ」
「一度だけでも!」
「ヤダデス」
「ですがついた……。えーと、えーとじゃあ、どうして嫌なのか教えてくれないか⁉」
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