未だ、蛹からんからんとドアベルが鳴る。
にこやかに出迎えた店員に眩が「二名で」と告げると、そのまま奥のボックス席へと通された。日差しの差し込む、静かな席だ。
本部へのおつかいで広島へやってきたノラがリクエストしたのが、このこじゃれたカフェだった。なんでも、猫をイメージしたドリンクやケーキで人気を集めているらしい。
「ぼくこれにしますね、三毛猫プリンアラモードと紅茶のセット。くらむせんぱいは?」
「ああ、俺はさっき昼食べたばかりだから、飲み物だけで」
「じゃあこれにしましょ、ねこちゃんラテアート」
さっさと決めると店員にオーダー。一足先に来たラテアートを写真に撮り、ひとしきり楽しむところを見守ってから、マグに口をつける。見た目だけではなく味も中々だと眩は舌鼓をうった。
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