多分、きっと、大丈夫「あー! もう今日は解散だ、解散! 片付けたらお前らとっとと帰れよ!」
パンパンと手を叩く山田さんにせかされて、冬居たち下級生は一斉に立ち上がった。それに背を押されるように、まだ少し消化不良の顔をしたままの三年生たちは荷物を重そうに抱えると、順番に体育館をあとにする。
週に一度の全体ミーテイングは、山田さんが大声を上げて中断してくれなければ、下校時刻を過ぎたことすら気が付かないほどに今日はいつもよりも白熱していた。
何しろもうすぐ夏の大会が始まるのだ。三年生にとっては高校生活の集大成でもあるこの大会への想いの強さはひとしおなのだろう。普段は山田さんばっかりが一人で喋って終わるこの時間は、時には体育館に声が響き渡るほどに熱く盛り上がっていた。
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