「好き」よりもっと「大切なお話があります」
そうブラックベリーに呼び出されたのは、屋敷の最上階の、さらに隠し階段を登った先にある、屋根裏部屋だった。幼い頃から秘密基地として使っていたこの部屋を、最近でも秘密基地として使っている。とは言ってもその秘密基地の示す秘密は、アンティーク瓶のコレクションではなく、引き出しの3番目の奥に隠されているゴムとローションなのだが。ブラックベリーからその秘密基地に誘われるのは初めてのことで、普通に考えれば期待してしまうところだが、誘いの言葉を口にするブラックベリーは下唇を少し噛み締め、目を逸らし、決まりの悪そうな表情をしていた。最悪の想像が頭を巡り、オレは深いため息をついた。
「やっぱり、そういうことだよなぁ…」
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