マフィア小説1
最初に目にしたのは綺麗な白い天井だった。
「ここは何処だ…?」
そう周りを見渡せば、そこは手術室のような部屋だった。沢山の機械と装置、色とりどりの薬剤。足の先にあるのは大きなディスプレイ。ディスプレイと機械がコードでつながって、また、機械からベッドへとコードが伸びていた。
何故こんなところに居るのかと記憶を巡らせようにも、まるで雲がかかったかのように何も思い出せない。ここは何処だろうか、何故ここに居るのだろうか。
体を動かそうとした時、喉に引っかかるような違和感を覚えて嘔吐いた。
指で触ってみれば、鼻からチューブが通されていた。そのチューブを辿るように指を動かせば、喉の奥まで通っているのが分かる。喉奥まであるそれは、胃の方まで通っているのだろうか。
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