ホットケーキ「……本で読んだのだけど」
シナモンでお茶をしていただけなのに、突然、険しい表情で凪砂くんがそう切り出しました。一体何を読んだのでしょうか。火砕流で滅んだ古代都市の話でしょうか。この前、そんな本を読んでいた気がしますので。
「……ホットケーキを作りたいんだ」
「…………はい?」
「……でも、材料がどこに売っているかわからなくて……渉くん、手伝ってくれるかな」
あまりに予想外の展開に、私は思わず聞き返してしまいました。私としたことが、いけないですね。それにしても、凪砂くんの口からそんな話が出てくるなんて、なかなかAmazingな提案ですね!
「もちろんです!」
「……ありがとう。それじゃあ行こうか、商店街にあるかな」
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