本番はロスタイムからです。 誕生日なんて、元々俺にとってもそんな特別なもんじゃなかった。
周りの同年代は誕生日のごちそうやプレゼントに心を躍らせていたけど、俺は毎日質のいいものを食べていたし……というか、あれが食べたいと言えば、料理人がすぐに作ってくれたし、あれが欲しいと言えば誕生日でなくても与えられた。そもそも自分で自由に使える金が充分あったから、欲しいと思ったものは何でも買えた。
だから、俺にとって誕生日なんてそれほど特別じゃなかったけど、世間一般的には誕生日は特別な日。
特別な日には、人気者で特別な存在であるこの俺御影玲王に祝って欲しいと思う人間は、多かった。学校の廊下を歩いていたら、見知らぬ女子生徒に「玲王くん、あの、私今日誕生日なの」と声をかけられることもしばしば。「へえ!おめでと!」俺がそう言うだけで、彼女達は悲鳴のような歓声を上げる。凪にこのやりとりを目撃された時は「めんどー……よくやるね、玲王」と欠伸をされたっけ。
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