4日目はお世話されてくださいどうやら先日の雨の中ジョギングした原因で風邪を引いてしまった黒龍はベッドに寝かされていた。
紅潮した頬に少しだけ荒い息遣いが彼の体調の悪さを如実に表しているのがよくわかる。
「先輩、今日は大人しくしましょう」
「……ッチ、飯は食ったのか?」
「まだですけど……って先輩!」
食事はまだだと言えばむくりと起き上がろうとする黒龍を無理やり引き留める。
純粋な腕力だけならほぼ互角の二人だが、黒龍の体調不良も相まって今だけは希の圧勝で引き止められた。
「なんだ……余り騒ぐな」
「その体調で調理は無理ですよ!休んでてください!」
「お前の飯の面倒ぐらいは見れる」
「じゃ、じゃあ今日は作るので!先輩は寝ててください!!」
希の発言に珍しく黒龍はキョトンとするがすぐに訝しげな視線を送った。
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