最も災厄で災難な悪夢の1日ぐきゅるると腹が鳴る、しかし今の俺には食料を得る手段がない。
無慈悲にも貼られた張り紙を見て、一つ溜息をつく。
『臨時出張中、御用の方は後日お願いします』
ここは町外れの教会、いや正確には町外れという概念にある教会だ。
どの町の外れではなく、全ての町から外れた場所にあるのだ。
だから何処にでもあるし何処にでもない、だが決して人間はそれを疑問に思わないように認識阻害の魔術をかけている。
この教会の主が認めた人間のみいつでも訪れる事が出来る、そういう仕組みを過去に作らされたのだ。
いや、そんな事よりも飯の当てが無くなったことが何よりの問題なのだ。
家の食糧も気が付けば尽きていた、もう何日も食事を摂っていない気がする。
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