松井に軽装がまだ無い頃の花火大会の話 松井がこの本丸にやって来て、初めての夏。松井にとって初めての花火大会当日の話。
桑名は朝早く起きて畑仕事を終わらせ、午前中からビニールシートを持って場所取りに行っていた。軽装を持っている刀は、昼食の後から続々と着替え始めていた。豊前と篭手切も軽装に着替えて、場所取りをしている桑名の援軍に行った。
本丸全体が花火の準備に浮かれている。松井のいる事務部隊は、政府から緊急差戻のあった書類の修正をしていた。
軽装に着替え終えた南泉一文字が、事務部隊長の山姥切長義を呼びに来る。
「なぁ、そろそろ着替えないと間に合わねーぞ」
長義と南泉の軽装は先日手に入ったばかりのもので、そのお披露目は今日の目玉のひとつでもあった。
2479