きみとならぼくは 暗くて冷たい、海の中。
オレンジ色のサブマリンが、荒れ狂う水をかき分けて進んでいく。
ガタガタ、ゴトン。
水流に押されて、機体が時おり大きく揺れる。
ぼくの前──操縦席に座るのは、真剣な顔で前を見据えるズーマ。今この船内にいるのは、ぼくとズーマのふたりだけだ。
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事の始まりは、ついさっきのことだ。
いつもより少し、緊迫した雰囲気の召集だった。
「──今回はちょっと、一刻を争う事態なんだ」
パウステーションに着くなり、真剣な顔をしたケントが任務を告げる。
「ビーチの近くに、建設中の海底レストランがあるだろう? 陸からは通路でつながっているんだけど……そこに穴が空いてしまったらしい」
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