シリアス? あるりゅ(多分)眠れぬ夜を過ごすのはこれで何度目になるだろうか。
自室のベッドの上で胸を押さえ横たわる彼──アルフレッドは自身の呻く声が外に漏れ出ていないか不安に思いながらひとり痛みに耐えていた。
「っ…やはり、病弱な僕は……いなく、ならないのか…ぐっ、うぅ……」
いつもは前向きな彼も、幼い頃から患った病の前には流石に少し弱気になってしまう。
生まれつき身体が弱く、幼い頃はこうして床に伏せていることが多かった。高熱にうなされ、時には生死の境をさまようような危険な状態になることもあった。その度に家族や友人、自国の民達を不安にさせる日々を送ってきた。医者にも長生きは出来ないだろうと言われていた矢先、父王が流行り病に倒れ逝去した。まだ幼かったそんな自分を変えたくて幼少期からずっと身体づくりをしてきた。走り込みや筋肉鍛錬で少しずつ体力をつけ、亡き父王から教わった槍術の業を磨き続けた。その結果、周囲の者達も驚く程に丈夫で健康な身体を手に入れた……はずだった。
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