迷子には気をつけて動物学の授業は好きだ。
無論、学校に通う事などこれまで望んでもできなかった僕にとっては見聞きするもの全てが目新しく、どの授業も大切な時間である。
どれもこれも、見知らぬ大人を警戒し突き返し続けた僕を見捨てる事なく何度も訪ね、この世界に連れ出してくれたフィグ先生のお陰なのだが。
膝に乗せたパフスケインを撫でながら、マグルとして生活していたあの頃や、初めて自分の事について知らされた日に想いを巡らせていた。
「…あいつ、パフスケインのどこが怖いんだろうね?見てよこの愛らしい瞳!」
隣に座っていたエバレットが話しかけてくる。
あいつとは、勿論ダンカン・ホブハウスの事だ。彼はパフスケインが怖いのか魔法生物全般が苦手なのか動物学には出席しておらず、僕は少しだけ寂しく感じている。
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