「待て」はできない「イデアさん、好きです! 今日こそはお返事聞かせていただきますからね!」
一息にまくしたてるとイデアさんは苦虫を噛み潰したみたいな表情をした。
「……懲りないね、君も。」
「ええ、懲りませんとも! だって、まだお返事いただけていませんので。」
このやりとりは都合四度目、告白自体は五度目である。初めての告白のときに、イデアさんはため息をついて、ちょっと考えるから返事は待って、と返してきたのだ。以降、僕は定期的に返事の催促をしていた。だって、あれからもう一ヵ月だ。いくらなんでも待たせ過ぎだ。いや、たしかに最初の確認は一週間後だったけれど、それでも十分だと思う。他のことならまだしも、告白に対しての返事なのだ。一週間も放置なんてありえないだろう。現状、イデアさんは一週間どころではなく、一ヵ月放置しているわけなのだけれど。
2244