愛の話をしよう「道満、これ読んでみて。」
突然マスターから数冊の本を渡され、蘆屋道満は困惑する。
カルデアに召喚されてから数ヶ月余り。度重なる戦闘に絆レベルはとうに5を超え、マスターからも「頼りにしてる」などと言われるようになってきた頃であった。手渡された本はどれも子供向けの童話ばかり。子供姿のサーヴァント達とおままごとに興じていたところを見られ、読み聞かせでも頼まれているのかと思えばそうではないらしい。
「今度感想聞かせてね。」
マスターは深くは語らず、ただ本を読むよう言う。訳がわからないままマスターの命ならばと、大人しく図書館で本を読み始める。
一冊目の「美女と野獣」は人を見た目の美醜でしか見られなかった王子が呪いをかけられ、真実の愛と心の美しさを知る話。ざっとそんなことが描かれているんだろうが、はっきり言って美女相手の時点で本当に心の美しさに心動かされたのか疑問だ。「醜女と野獣」なら納得もしようものを。
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