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    たつき

    @sekiihiduki

    未完のとかちょっとアレなのとか投げるかも。

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    たつき

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    平安京でぐだがリンボに捕えられ、陵辱され、その後助けが来て結果的にカルデアが勝った世界線。その記録を持った道満が1部カルデアに召喚される話。
    平安京敗北回避ルート→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19431670
    NTR?後お清めックスルート→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19470790

    地獄の記録を見た。


    魑魅魍魎蠢く京の都。
    城に捕えられた少女と黒い狩衣に身を包んだ己の姿。
    苦悶の表情を浮かべる少女を組み伏し、その体を貪る。
    「いくら耐えても助けは来ませんぞ。諦めて快楽に身を委ねてはいかがです?」
    少女の目に熱い光が宿る。
    「助けは来る!」

    そして本当に助けは来た。
    空想の樹は伐採され、悪は一刀両断。真っ二つ。

    アルターエゴ・リンボを名乗った異星の神の使徒と人理保障機関カルデアの戦いの記録。


    面白い。何よりこの娘に興味が湧いた。
    自分を蹂躙した憎き相手が、倒したはずの敵が目の前に現れればどんな顔をするだろう。
    そう思い座から縁を辿っていく。





    「お初にお目にかかります。」

    ここはカルデアの召喚サークル。
    恭しく礼をするが目の前の少女は呆けた顔をしている。見たことのない白い礼装に身を包み、記録の印象よりも幾分か幼さの残る顔つきだった。
    「蘆屋道満だって!凄い!わたしでも聞いたことある!これからよろしくお願いします!」
    はつらつとした笑顔でそう言われこちらが呆ける番だった。縁というものは…いやはやなんと不思議なものか。

    特異点Fを攻略した直後の人類最後のマスターの下にアルターエゴ蘆屋道満は召喚された。








    共に特異点を修復、人類悪の撃破、数々の戦いを打ち勝ってきた。
    敵を蹂躙し、呪いを振り撒けばやりすぎだと叱られ、事務仕事の手伝いをこなし、こっそり呪いを混ぜてまた叱られる。それでもうまくやっていた。マスターは次第に悪性である自分を理解し、許容し、戦闘でも私生活でも常と言っていいほどそばに置く様になった。初めは監視かとも思ったが、どうやら自分を好ましく思って置いているらしい。次々と注がれるリソースや聖杯がそれを物語っていた。
    「道満いつもありがとう!君が頼りだよ!」
    マスターからの信頼を感じる度に、この娘がいずれあの様な目にあうと思うと昂りを隠しきれない。
    もう少し、あと少しでこの娘はリンボに出会う。それが楽しみで仕方ない。
    どんな表情をするのか、どんな感情を自分に向けるのか。

    「はいこれ!」
    突然マスターからハート型の包みを差し出される。
    「バレンタインのチョコレート!…あれ?わかる?バレンタイン。」
    バレンタイン、座からの情報で知ってはいる。最近は忙しそうにしていると思っていたがカルデアでもそのような催しがあるとは。
    「道満にはカルデアに来たばかりの頃からお世話になってたから。一番に渡したかったんだ!」
    「な!?」
    一番?拙僧が?
    マスターは屈託のない笑みを浮かべている。
    本当は拙僧がどういう存在か、なんのためにここに来たのか、これから何が起こるかも知らぬくせに。
    他にもチョコの包みを入れたと思しき紙袋を見ると無性に苛立つ。呪符を渡すと他のサーヴァントに言いつけられ手痛い呪詛返しを喰らった。

    後から聞いたところによると拙僧のチョコは男女一人ずつしかもらえない特別なものだったらしい。

    なんだこの感情は。
    胸を掻きむしりたくなる様な衝動。
    知らない、こんなものは。

    マスター、拙僧のマスター。何故拙僧にここまでする。

    「大好きだよ。」
    マスターは無邪気に笑う。

    立香、立香、儂の立香。



    ある日立香が寝たまま目覚めなくなった。
    慌てふためくカルデア職員に、サーヴァント達。
    だが、拙僧は知っている。立香が纏う呪いの残滓を、ーーよく知っている。
    下総国にて宿業を埋め込まれた英霊剣豪達とカルデアのマスターの戦い。そこでキャスターリンボと立香は初めて相見える。拙僧とカルデアの縁の元。拙僧の運命。

    立香は目覚めた後何か言いたげにこちらを見たが、結局何も言わなかった。今までと何も変わらず接してくる。



    人理修復、カルデアの襲撃、空想樹の発生、異聞帯の切除。
    前に進んでは転ばされ、また一歩一歩と進んでいく。幼気な少女の面影は消え、血反吐を吐きながら戦い続ける。



    嗚呼まずいこのままでは。いつか立香はあの地獄に辿り着く。
    ーー何としても阻止しなくては…。






    「ついにここまで来たね、道満。」
    ギリシャ異聞帯を超えたカルデアの下にリンボからの”招待状”が届く。
    「此度はやめておきませぬか。」
    「え?」
    「あのような特異点捨て置いても宜しいでしょう。」
    驚いてこちらを見る立香の目が細められる。疑いの視線。
    「リンボの計画を止めて欲しくないの?やっぱり道満って…。」
    「いえいえいえ違うのです!拙僧はただ…!」
    喉元で次の言葉が止まる。まだリンボの記録を有していることは伝えてない。その拙僧が何を言えると、信じられると言うのだろう。この娘が如何にしてあの地獄に至るのか見てやりたかった。しかし、今はどうにも手放し難い。これは儂のものだ。儂の女。あの記録で立香はリンボに処女を散らされていた。つまりーー……。

    今の立香は処女!!
    「う…ぐ……拙僧の処女が…!」
    「え!?どうしたの!?…泣いてる!?」
    「行かないでくだされマスター!」
    縋りつく拙僧に慌てふためく立香。
    「何かよく分からないけど。…そっか、道満性別不明だもんね…。両方あって…大変だね。」
    何やらぶつぶつと呟いている。
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    たつき

    DOODLE今後出す予定のリンぐだ全年齢小説本から書き下ろしを書けてるお見せします。
    本当に短いです。
    こちらだけはイベント終了後非公開にします。

    追記
    ちょっと書き直しになったから供養がてら公開しておきます。
    本が出るときには消すかも。
    君は悪夢になり得ない 彷徨海カルデアベース。深夜1時を回った頃、眠る藤丸立香のマイルームに蠢く影があった。その大きな影はゆるゆると立香に近づき、黒ずんだ手を伸ばす。眉根を寄せて脂汗を浮かべる立香を拭うと、うっすらと笑みを浮かべて影は……蘆屋道満は何かを唱え立香の夢の中に潜っていった。
     立香は毎晩悪夢を見ていた。そのきっかけは妖精国で見せられた失意の庭だが、その不安自体はそれ以前から立香自身が抱えていたものに他ならなかった。今日も立香は夢を見る。
    「これでキミも『予備』に戻れる!」
    「もう無理に頑張らなくていいんだって」
    「事件解決後、キミの目の前に広がっているのは何もかも壊れた後の、絶望的な地球の姿だ」
     仲間達から立ち止まるよう言われる優しい悪夢。今までがむしゃらに走り続けてきた人類最後のマスターにとっては何よりも苦しい要求だった。それでも、と彼女が立ち上がれる人間であったとしても、毎夜夢に見る度に少しずつ心はすり減っていく。一度傷のついた心は決して元には戻らない。眠ること自体を敬遠するようになるも、マスターとして万全を期すためには眠らなくてはならないと言うジレンマ。ここ最近の立香がノイローゼ気味だったことに気付かない者は少なかった。
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