「真鶴。いるか?」
「おう、高遠か。どうした?」
「ああ、いや、大した用ではないんだが。出かけるところだったか?......その格好、近場じゃないな」
「久々に、ふらっと北陸の方にでも行ってこようかと思ってな。で、お前の方の用件は?」
「暇なら飯でもどうかと思ったんだが。もう出るところなら出直すよ」
「いや、大宮から深夜バスなんだ。どっかで飯は食って行こうと思ってた」
「時間は?」
「21時発」
「それなら結構余裕があるな。この辺でいいのか?」
「おう。すずめでもいいが、たまには違うとこにするか。高遠、お前、何か食いたいもんは......ん?外、雨降ってきたか?」
「本当だ。さっきまで降ってなかったんだが」
「それは運が良かったな。おい、どんどん強くなってねえか?......うわ、もう土砂降りじゃねえか」
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