ユゴレオ「気高いくんのこと好きなの?」
そう言い放ったのは人の多い食堂の片隅に座るイェルシィだった。彼女の前の席に座っていたユーゴは目を瞬かせてから手に持っていったカップを静かに置く。
「ええと……? まあ、はい」
気高いくん――気高いを口癖とする幼馴染のひとりであるレオの顔を思い浮かべる。
突拍子のない問い掛けだが好きか嫌いかであれば、勿論好きだ。そうでなければずっと幼馴染として隣にいることなどできない。
しかし、イェルシィはユーゴの答えに満足いかなかったらしい。目を瞬かせてから首を捻る。
「うん? あーあー、そっちじゃなくて……ラブ?」
「ラブ?」
意図が掴めず思わず問い返す。困惑するユーゴの代わりのようにイェルシィの隣に座っていたマクシムが眉間に皺を寄せた。
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