君のための誕生日 Repriseジョンは困惑していた。
目の前にある、緑色のインクで印刷された書面。
テレビの中などでよく見るが、現物を見るのは初めてだったし、できればこの状況で見たいものではなかった。
「ど、どうかな?」
ロナルドが、照れ照れとした顔でジョンの様子を伺う。
「ヌヌ(却下)」
書面……婚姻届(夫の欄はすでに記入済み)をびりぃ!っと容赦なく破り捨てて、ジョンは却下した。
がーん、とショックを受けるロナルドを前に、ジョンは深いため息をついた。背後で、キンデメや死のゲームも「これはだめだ」と呟いている。メビヤツだけが、大好きなロナルドをどうフォローしようか焦っていた。
もちろん、これはロナルドがジョンに結婚しようと頼み込んでいるわけではない。
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