Homecoming instinct覚えている色はあかとしろ……火薬の爆ぜる音
目覚めた時には見知らぬ天井と消毒の匂いが意識を支配していた。
「じごく、は…あんがい…ふつうなんだな」
「フフフフフ。地獄、地獄か……どっちがマシだかなァ」
「っ……!?な、……で」
「気分はどうだ、ロシナンテ」
「…………ド……(ドジった!声が)」
耳に届く自分の声に後悔も遅く此方を見る人物はニヤリと笑みを貼り付けおれを見ていた。
「今更だろ、散々人を罵っておいてよォ」
「……ここ、は…」
「おれの部屋だ、動くんじゃねェぞ。ヴェルゴの傷は響くだろ」
「っ……ロー!ロー!は!」
「あァ?……治療中だ。あんな冬島で放置してたんだ。栄養失調に軽度の凍傷、オマケに低体温症。随分と連れ回したなァ?気分は良かったか、自分に助けを求めさせて、弱らせて、」
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