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    Silver8assassin

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    Silver8assassin

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    生存if
    自分の居場所を決める時、どの未来を選ぶのか

    #生存if
    survivalIf
    #18禁
    No
    #ドフコラ
    dofukola
    #ドフロシ
    dofrosi

    Homecoming instinct覚えている色はあかとしろ……火薬の爆ぜる音

    目覚めた時には見知らぬ天井と消毒の匂いが意識を支配していた。

    「じごく、は…あんがい…ふつうなんだな」
    「フフフフフ。地獄、地獄か……どっちがマシだかなァ」
    「っ……!?な、……で」
    「気分はどうだ、ロシナンテ」
    「…………ド……(ドジった!声が)」

    耳に届く自分の声に後悔も遅く此方を見る人物はニヤリと笑みを貼り付けおれを見ていた。

    「今更だろ、散々人を罵っておいてよォ」
    「……ここ、は…」
    「おれの部屋だ、動くんじゃねェぞ。ヴェルゴの傷は響くだろ」
    「っ……ロー!ロー!は!」

    「あァ?……治療中だ。あんな冬島で放置してたんだ。栄養失調に軽度の凍傷、オマケに低体温症。随分と連れ回したなァ?気分は良かったか、自分に助けを求めさせて、弱らせて、」

    「違う!!おれは、ローの病気を治そうと!」
    「お前がやったのは自己満足だ。」

    投げつけれた言葉に、喉が締まるのを感じた。
    自己満足…おれはローの為に……

    「フッフッフッフ、偽善の押しつけは気持ちよかったかァ?」


    頭を殴られたような感覚に襲われ胃が熱くなる。
    上がってくる胃液に耐える為背中を丸めるが繋がれた点滴の管が擦れ痛みを覚える。

    「っ…は……」
    「フフフフフ、可哀想になァ…吐きたいなら吐いちまえ。大丈夫、兄上が傍に居てやる。」
    「はっ…ぁ…、あ、にうえ、」

    絡み付くような声と背中に感じる熱に抗う術も無く胃液が逆流する。

    「いい子だ、ロシナンテ……おれが守ってやる……ずうっとな……」

    額に寄せられた唇を感じ、そのまま意識は闇の底へと堕ちていった。


    何時だって、見ていたのは背中だった…おれの手を引き何処に行くにも必ず一緒だった。
    おれをずっと、ずっと、まもってくれていたのに……

    「…………うえ……」

    ゆっくり浮上する意識に逆らうこと無く瞳を開く。熱く頬を濡らすものを拭うと、繋がれていた点滴が無くなっていることに気付いた。その代わり、重く身体を支配する倦怠感に息を飲む

    「な、んだ……?」

    身体の力が抜ける……いや、奪われるような感覚。これは……
    ゆっくりと身体を起こし辺りを見渡す。ナイトガウンから覗く包帯には血が滲んでいた。

    「…あ……ド、フィ……?」

    しん。と静まり返った部屋からは返事は返らず動く度にシーツが擦れる音と……金属音。

    「海楼石…………当たり前、か」

    倦怠感の正体は左足首に付けられた海楼石の枷。
    目測だが、恐らくベッド周りは動ける程度は長さはある。

    「……甘い……なァ…」

    「そりゃそうだ、大切な弟だからなァ」

    「っ……!?い、つ……」

    「おいおい、そんなに驚くなよ。飯を持ってきた。安心しろ、盛ってねェ」

    「……ローは」

    「……目は覚めた、飯を食って能力の修行中だ。お前が生きている事も伝えてある。手紙……」
    「会わせてくれ!」
    「あァ?」
    「ローに、ローに会わせてくれ!頼む!」

    無事を確かめたい、あんな場所に放り出してしまったことを、1人にしてしまった事を謝りたい

    「フッ、フフフフフフ!ダメだ、まだな。」
    「な、ん」

    「だいたい、会ってどうする?謝るのか?1人にして悪かったと。お前が連れ出さなきゃ、アイツは無駄な悪意を、怖気を、嫌悪を、慟哭を、あのちいせェ身体に受けることは無かった。違うか?ロシナンテ。ここに居りゃァ、そんなクソくだらねェ感情を受ける事無く、教育を受け寝食を保証され、オペオペの実を手に入れられた」

    淡々と紡がれる言葉が刃物となり身体に突き刺さった気がした。
    おれは……ローに……何をした?

    「お前はなァ、ロシナンテ……おれへの反抗にローを使ったんだよ。」

    「ちが……っ」

    「いいや、違わねェさ。おれを化け物と罵ったその口でお前はローを優しく傷付けたんだ。」

    ガンガンと頭の中で何かが反響する音が聴こえる。あの涙も、全て、流さなくて良かったのか……?おれは、ドフィの傍に置いていてはローがいづれ

    「とんだ〝正義〟だな?ドンキホーテ・ロシナンテ中佐殿」

    再び締まる喉に酸素が取り込めなくなる、頭が割れる……意識が……思わず目の前に立つ存在に縋る様に手を伸ばしてしまった。ダメだと鳴り響く警報も何処か遠くに聴こえる

    「フフフフフ……ほら、ゆっくり吸え……ゆっくりだロシナンテ」

    縋る手を取られ指を絡め取られる。呼吸を整える為に背中に回された手が優しく上下する度に酸素が流れ込んでくる。

    「はっ…………ド……フ……」‪
    「あァ……、ここに居てやる……お前を許そう、ロシナンテ」

    許してくれる?あんなに酷い事をした、おれを……ローも、ドフィも傷付けたおれを

    「……っ、は……と、に……?」
    「嘘は言わねェさ、大切な弟だ。……少し反抗期だっただけのな」

    ゆっくりと流れ込む酸素と声が痛みを癒してゆく。いつの間にか隣に座り背を撫でるドフィの肩に身体を預けていた。

    「はっ…………ん……」
    「いい子だ、おれを見ろロシナンテ」
    「ふっ……ぁ……?」

    薄く膜が張る視界の中、霞ながら映る姿に安堵の息が漏れる。安堵……?安堵していい……のか?
    遠くから聴こえる問い掛けに答える暇は重なる唇に飲み込まれた。

    「ん……っ、ぁ……」
    「…………ん……、フフフフ、悪かったな」
    「ぁ……え……いや……」

    正しい答えが分からず零れた雫を拭う指が僅かに気持ちいいと思ってしまった。

    「……食事は置いておく。食べ終わったら包帯を巻き直してやろう。」
    「……あ……う、ん」

    小さく頷いた態度が気に入ったのか、何時もの笑みではなく、何処か昔を思い出させる優しい笑みに胸が締め付けられる。

    「ゆっくり食え、少し出る」
    「…………ん」

    足枷はそのままに閉められた扉と……鍵の音。
    無慈悲なはずのその音に何かが軋むオトがした


    数日たっている事以外は情報が無く、時折聞かされるローの話に会いたい気持ちと怖い気持ちが混ざり合い胸が締め付けられる。

    「会いてェなら、連れてきてやろうか」
    「あ……、いや……」
    「フフフフフ!まぁ、無理はしなくていい。」

    肩を抱き寄せられ身を委ねれば、甘く、僅かにスパイシーな香りが身体に纏わりつく。

    「ドフィ………」
    「何だ?」
    「……何でもない」
    「フフフフフ、可愛いな」
    「可愛くない……」

    時折髪に触れる唇が擽ったく身を捩りる。少し前迄は考えもしなかった時間に小さく息を吐く。

    ージャラリー

    現実に引き戻す音に視線を落とし指先から熱が引いていくのを感じ、これが現実なのだと突きつけられた。
    ……相変わらず、囚われたままだ……

    「あァ、忘れてた」
    「?」


    不意に屈む身体に預けていた身体がベッドに倒れ込む。体制もそのまま何をする気かと視線を送ると優しくおれを撫でていた手が海楼石の枷へと伸びていた

    「ドフィ……?」
    「いらねェだろ?コレは」

    カチャリと外され途端、重みと倦怠感が無くなるが状況判断が間に合わず身体も起こせない。
    興味無さげに放り投げられた枷を目で追うことも出来ずただ、目の前のドフィを見つめることしか選択肢がなかった。

    「どうした」
    「な、……で……」
    「フフフフフ、好きにしたらいいさ。」
    「好き、に……」
    「お前の巣はお前で決めろ、ロシナンテ」

    体制そのままにただ見つめるおれの頭を一撫でし、身を起こしたドフィはでんでん虫で誰かと連絡を取ると部屋から出ていってしまった。

    「おれの……巣……?」

    海楼石とは違う気怠さを抱えた身体をなんとか起こし、先程の言葉を思い返す。

    「傍に……いたい……」

    己の声で届いた言葉に咄嗟に口を抑える。
    おれは……今、何と言った?
    誰の、傍にいたいって?
    混乱する頭は答えを出すはずもなく、ただドフィの言葉を反復していた。

    「……分からない……、教えてくれ……」


    ーあにうえー



    考えれば考える程割れる様に痛む頭に目が霞み、背を丸くし蹲る。ベッドから香るドフィの匂いをゆっくり吸い込み肺が満たされていくのを感じた。
    伸ばした手でシーツを手繰り寄せ、小さな子供がする様に口元へと近づける

    「はっ……ぁ……ん……」

    ゆっくりと身体に染み渡る香りに呼吸を促されているような感覚に陥る。
    いけないとは分かっている。が……生理現象か、生存本能か、……空いた手がゆっくりと兆す下へと伸びてゆく

    ーガチャリー

    「っ……ぁ……!?」

    『コラさん!!』
    「ロー…………」
    『コラさん、大丈夫か!怪我は、おれ!約束を!』

    「フフフフフ。まァ、落ち着け。ロー」

    突如部屋へと飛び込んできたローの姿に思わず伸ばした手のまま動きが固まってしまう。
    矢継ぎ早に告げられる思いに何か伝えねばと唇を開こうとするが渇いた喉が言葉を遮る様に張り付く。

    『あ、悪ィ…でも、おれ』
    「ロー、コラソンはまだ回復してねぇ。お前と違ってダメージがデカかったからな。」
    『お前のせいだろ』
    「フフフフフ!そこは突っ込むんじゃねぇよ、ロー」
    『大体な、やり方ってもんが!』
    「騒ぐな、騒ぐな。お前らだってやり方があっただろーが」

    2人のやり取りに胸が僅かに痛む、言い合いながらも笑顔な2人に安堵すべきはずなのに

    「なァ、コラソン。お前だってそう思うだろ?」

    コラソン。そう呼ばれた瞬間ドクリと心臓が跳ね上がるのを感じ、同時に締め付けられる感覚にここ数日感じていなかった酸素の薄さを感じドフィへと視線を送る。すぐに口を手で覆われ呼吸を制限された

    『コラさん?顔色が…大丈夫か?』
    「コラソン……息を吐け、ゆっくりだ」
    「……は……゛」
    『ドフラミンゴ!コラさん大丈夫なのか?過呼吸起こして……』
    「しー……いい子だ。コラソン……ゆっくりだ」
    「……ち、が」


    縋るように伸ばした手は空いた手に絡め取られ、熱を分けるようにするりと肌を撫でられる。

    『コラさん…』
    「どうした、コラソン。何処か痛むか?」
    「…は…、」

    伝えたい言葉は酸素を取り込もうとする身体に邪魔され意味の無い音を紡ぐ。違う、おれは…おれは…

    「コ゛ラ、ソじゃ…な…っ」

    塞ぐ手に遮られながらも小さく呟いた言葉は伝えたい相手には届いてくれただろうか。

    「……ロー、部屋に戻ってろ。コラソンはこの通り万全じゃねェ」
    『あ……分った…、コラさん、また会いに来るから』

    「コラソンが回復したら伝えてやる。戻ったらジョーラに暫く誰も部屋に来るなと伝えろ」

    やめろ…やめてくれ…っ…嫌だ、おれは…

    此方を心配そうに見て出て行くローに言葉をかける余裕もなく、ただドフィに身を任せ滲む汗の不快さに眉を寄せる。

    「大丈夫だ、〝ロシナンテ〟おれを見ろ」
    「ぁ……」

    〝ロシナンテ〟そう、名を呼ばれた瞬間締まっていた喉が開くのを感じた。そして、分かってしまった…。

    「ド、フィ……おれ、」
    「フフフフフ、いい子だロシー。おれを見てゆっくり息をしろ」
    「っ…は…、ん…」

    離れる手を名残惜しく感じる、耳に流し込まれる声に力が抜けてゆく。隣に腰掛けたドフィを見上げればサングラス越しに映る自分と薄く細めた瞳が見つめ合う

    「どうした、ローに会うのは少し早かったか?お前も会いたいと言っていたし、ローも会いたがっていたからな。…あァ、そうだ。ローのやつ前にもまして医学書を読み漁っていてな、能力を使うための基礎体力も…」

    「い、いっ」

    「あ?なんだ?」

    嫌だ、やめてくれ…言わないでくれ頼むから。
    先程感じた胸の痛みが強くなる。震える手をドフィの顔へと伸ばし、ゆっくりその隔てられた壁を外す。
    光に眉を寄せながらも向けられた瞳におれが映るのを見れば込み上げる言葉を飲み込む事は出来なかった。

    「ドフィ……、」
    「何だ?ロシー?眩しいじゃねェか」
    「おれ、は…ローじゃ、…コラソンじゃない…っ」

    言葉と共に零れ落ちる雫を拭うことなくおれは…

    ドフィの唇を無様な泣き言を吐くその唇で塞いだ。

    「ん…っ…」
    「……」
    「ぁ……ド…ふぃ…ん、」

    今までとは違う息苦しさと熱に煽られちゅ、ちゅ、と啄みながらドフィの膝へと乗り上げるが人より体格のいいおれの身体も軽々と支える手に安堵を覚えさらに深く触れたいと下唇を甘噛みしペロリと舌を這わせる。

    「ん…ぅ…?」

    何故、何も言わないのだろうか…男に、実の弟にキスをされて嫌悪している?なら、何故抵抗しない?浮かぶ疑問にゆっくり唇を離し幾分か高くなった位置から見下ろすと、しっかりおれを見据える瞳とぶつかる。

    「ドフィ……」
    「…おまえが」
    「?」

    不意に出された声に首を傾げ続く言葉を待つ。おれが、何だろうか……。キライ?触るのも嫌なくらい……嫌われていたら…

    「おまえが、選んだんだ。ロシー、おれじゃねェ」
    「おれ?」
    「あァ、そうだ…おまえがおれに触れる事を選んだ。そうだろ?なァ……〝コラソン〟」
    「…!!いや、だ…ソレで…呼ばないでくれ…おれは」
    「フッ、フフフフフ!嫌か、コラソンと呼ばれるのが」
    「いやだ…おれは、違う……ドフィ…」

    擽るように喉元を撫でられ僅かに嗚咽を漏らす。もう、ソレは嫌なんだ。その口で呼ばないで…

    「おまえは、おれのなんだ?…ん?」
    「おれ、は…ドフィの、…兄上、の、ロシー、だから。だから…」

    ポタリと落ちる雫がドフィの頬を濡らす。もう、いい。おれを見てくれるなら

    「…ドフィ……おれを、見て…」
    「あァ…いい子だ、ロシー」

    回された手で頭を抱き寄せられ再び重なる唇が弧を描くのを見ながら何かが割れる音を聞いた

    「ふっ…ん、」
    「…ん、」

    俺から仕掛けたものとは違い、深く甘く、胸を締め付けていく。開けろと、言わんばかりに唇を舐める舌を受け入れる為に薄く開くとすぐに舌が滑り込んでくる。長く熱い舌で口内を擽られ舌を絡め取られる。
    呼吸すらも飲み込むように深い口付けに息があがるのを止められるわけもなく思わず顔を逸らしてしまった。

    「はっ……ん……ぁ」
    「……どうした、息が出来ねェか」
    「んっ……、でも…」
    「うん?」

    僅かに震える手でドフィの頬を撫で叶えられるであろう願いを口にする。

    「もう、1回……」
    「フッ、フフフフフ、気に入ったか?」
    「ん、……」

    小さく頷くと重ねられた唇に息が漏れすぐに続きだと言わんばかりに舌を絡めとられた。
    じゅるりと唾液の絡む音と吸い付く粘着質な音が脳を犯している様で思考が霞む。

    「ふっ……ん、ぁ」
    「っ…は……」

    ドフィの口から漏れる少し甘い声に先程から緩い熱を持った腰が重くなる。
    許されるだろうか…密着する身体を少し捩り挟まれたソレを少しだけドフィの腹へと擦り付ける。

    「んっ、……は……」
    「フッ……」

    小さな笑い声と共に離れた唇に、何を言われるかが予想容易く、目を逸らす。分かっている、こんなのは

    「おれの身体でオナってんのか?ロシー」
    「っ……そ、……れは……」
    「それは…?」
    「…だっ、て…」
    「キスがそんなに気持ちイイか?」

    触れた唇が濡れているのをぼやける瞳と頭の何処か遠くで見れば違うと緩く否定する。予想していなかったのか、ドフィの瞳は僅かに細められ答えを促すように腰に回された手に力が籠る。
    隠す事は許さないという空気に、羞恥に震える唇を開く。

    「ドフィの……」
    「おれの、?」
    「声…と、体温が…気持ちよくて……」
    「……フッ、フフフフフフ!」
    「ドフィ?」

    肩を震わせ笑う様子に小さく首を傾げる。何か、おかしな事を言っただろうか。素直に口にした言葉が気に食わなかっただろうか?

    「ロシー」
    「う、ん?」
    「お前、経験がないのか」
    「な…っ!!?急に!」
    「いや、フフフフフ、これはねェな。そうか、そうか」

    未経験は面倒だろうか。確かに海軍ではどちらの経験もある奴は居たが、興味も無く、タイミングもなかった。何時かタイミングが来ればと思っていたが

    「面倒…?」
    「あ?」
    「いや、初めては面倒かと」
    「いや?…お前に触れるのはおれだけでいい。そうだろ?ロシー、いいな?」
    「…ん、いい」
    「いい子だ」

    満足気に細められた瞳に何処か安堵を感じゆっくり解かれるガウンの紐の音が耳に届く。
    幼かった頃とは違い欲を主張する場所をさらけ出している羞恥に体温が上がってゆく。
    次いで、シュルりとネクタイを解く音が聞こえ目線を上げればドフィがその身体をさらけ出そうとしていた

    「…」
    「何だ、そんなに見つめるな」
    「あ、いや…ごめん。なんか…」
    「あ?なんか?」
    「…エロい…」
    「フッ、フッフッフッ!あぁ、お前は本当に」

    フェロモンとでも言うのだろうか。その肌がさらけ出される度にじわりと体温が上がり侵食されていく感じがする。口に出した羞恥から顔を背ければドフィは肩を震わせて笑いながらもその手を止めず見せ付けるように脱ぎ捨てた服を目の前に落とした。

    「っ…意地が悪…っ!」
    「可愛いなァ、ロシー…ほら、ガキの頃と同じだろ」

    此方を向けと言うように顎を掴まれ視線が交わる。ゆっくりと滑る指先に促される様に視線を落とせばソコにはしっかりと熱を持ったおれのペニスが欲を主張しトロリと先走りを滲ませている。
    思わず逸らそうとも、同様に熱を持ち服を押し上げているドフィの其れを端に捉えゴクリと息を飲む。


    「ドフィ…」
    「窮屈でたまらねェ…脱がしてくれるか?ロシー」
    「…う…ん」

    耳元で低く囁かれる声に、抗う術はおれにはなく。ゆっくりと膝からおりベルトへと手をかける。
    震える指先を宥めるように頭を撫でる手は、早くしろと催促しているようにも感じ今更逃げ場はないと釦を外しジッパーを下ろす。

    「ドフィ…腰上げてくれ、脱がせられない」
    「あァ、悪ぃな」

    笑いを含む声音で答えながら上げられた腰に合わせ下着ごと引っ張れば、勢いと熱を持ったペニスが解放され視界を支配する。
    幼い頃に風呂に入っていた事を急に思い出し頬が赤く染まってゆく。

    「っ…」
    「何だ、真っ赤になっちまって。…今から1つに戻るんだ…怖がることはねェ」
    「1つ…」
    「そうだ。ロシー。おれたちは1つだ。お前はおれの大切な弟で大切な心臓。何も怖くはねェだろ?ん?」

    ゆるりと撫でられる頬に優しさを感じゆっくり目線を上げる。細められた瞳は其れこそが正しいのだと。教えてくれる様で、肩からゆっくり力が抜けてゆく。

    「ロシー、舐めろ」
    「え、…っ」
    「ゆっくりでいい、おれの形を覚えろ」

    出来るな?と、頭を撫でる手には僅かに力がこもっていてそのまま頭を下げられる。
    ゆっくりと舐めあげれば舌から伝わる熱に身体が痺れる感覚を覚える。もう一度味わおうと怒張する血管に舌先をチロりと這わせ、唇で食む。僅かに震えた腰が嬉しく、ドフィの形を覚える為にカリから先端、また根元へと舌を滑らせてゆく。

    「ん、…」
    「いい子だ…、腰を上げておけ」
    「ぅ…ん、」

    口に広がってゆく塩辛さと苦味を唾と共に飲み下し、耳に届いた言葉に従わねばと膝に力を込める。トロリとした生暖かい感覚に反射的に腰が震える。

    「っ、え…な、に」
    「気にするな。ほら、覚えたのか?」
    「ま、だ…ん、きもちい?」
    「あァ…勿論だ…」

    優しい声音で返された言葉にモヤりと胸が重くなる。…確かに熱く芯を持ってはいるが余裕が伝わる。小さく深呼吸をし先端を咥え込みじゅっと吸い付けば、びくりと震えた腰に自然と笑みが浮かぶ。

    「っ…悪戯、か?ロシー」
    「っ…ぅ」

    僅かに上擦った声に笑みが深くなる、自分以外の熱に触れることも、ましてや舐める事など経験はない。だが、余裕が服を着ているような目の前の兄の声を上擦らせたという事実が熱をあげ身体を支配していく。

    咥え込めない根元を手で包み扱きあげ浮き出た血管を指先で擽る。先程より溢れた苦味を借りじゅるじゅると唇を滑らせる。

    「っ…は、…慣れてきた、か…?」
    「ん、…ぅ」

    目線を上げ小さく頷く。裏筋に舌を這わせ再び咥え込もうとした瞬間、身体に入り込む異物感に思わず腰が跳ねた。

    「っ…ん!?な、に…っ!」
    「力をぬけ。弛緩剤が入ってはいるが、効くまでは辛いかもな。」
    「弛緩…剤…っ?っ…ぅ!」
    「お前がしゃぶってるソレを此処に挿れるには狭ェからな…安心しろ、急に突っ込みはしねェさ」

    痛みよりもはるかに強い異物感に息が詰まる。探るように進む指が宥めるようにナカの壁を撫でるのが嫌でも分かる。はっ、はっ、と犬のように吐き出す浅い呼吸と滲む汗が体温を下げてゆく

    「っ…く…!っ!」
    「止めるか?……おれとしては、無理強いをする気はねェからなぁ…。どうする、〝コラソン〟」
    「!?ゃ、だ…っ、やめ、ない、っ!だ、から…」
    「だから?」

    本当にこの兄は悪だとつくづく思う。優しく問い掛けるクセに、逃げ道なんて1つもない。ゆっくり、己の手の内に堕ちて来るのを楽しんでいる。
    分かっている、これは間違っている。
    けれど、もう。其れさえおれにとっては正しい選択肢、それしかない。
    だから、

    「呼ばな…っ、あに、うえ」
    「フッ、フフフフ!あァ、いい子だなァ。ロシナンテ。いじめて悪かった。兄上を赦してくれるだろう?」
    「、…」

    こくこくと頷き膜が張った視界で笑みを捉えると、一瞬感じた息苦しさも霧散する。
    その間も侵入した指は止まらずさらに圧迫感が強くなった気さえする。

    「はっ…ん、」
    「ほら、ちゃんと覚えたのか?ん?」
    「…っ、」
    頭に添えられていた手が促す様に力が込められ違和感を誤魔化す様に舌を這わせてゆく。タラりと根元に流れ落ちた雫を舐め取り、その下に隠れる玉まで舐め上げる。吸い付き、舐めとる度にドフィから漏れる声と震えるペニスにゴクリと生み出された唾液を飲み下した時だった。感じていた違和感が、また別の物に変わったのは。


    「ふっ…?ん、ぁ」
    「効いてきたか。どうだ、まだ辛いか?」
    「ん、んっ。な、に、?変…」
    「…ロシー、仰向けになれ。」
    「へ…っ?ま、だ…」
    「フフフフフ、今すぐ覚えろなんて言わねェさ。コレから、ゆっくり、おれを覚えろ。いいな?ん?」
    「う、ん」

    顎を掬われ交わった瞳にどろりと溶けた優しさを感じ小さく頷く。言われるがままに体制を変え、ドフィを見ればどくりと胸が脈を打つ。

    今まで見ない様にしてきたのだ。悪と言うにはあまりに美しいこの存在を。悪魔は人を魅了すると言うが全くその通りだ。目が離せない


    「そんなに見つめてどうした」
    「…ドフィ…」
    「ん?」
    「…許して、くれて、ありがとう」
    「……当たり前だろう」

    目を僅かに丸くし小さく笑いながら額に口付けられ、まだ幼かった頃を思い出す。
    何時だって、最後に折れてくれたのはドフィの方だった。自分だって欲しいくせに、最後は何時だって。

    「痛みを感じたら言え、コレはレイプじゃねェんだからな」
    「ん、」

    ちゅっちゅと額や頬に唇を落としながら再びナカへと指が入り込む。足されたらしい滑りが空気と混ざり、ぐちゅ、ぶぢゅ。と音をたてる。

    「ん、ふ…っ!?ぁ!ドフィ、っ」
    「よしよし、ちゃんと勃ってんな」
    「んっ!ゃ!…ぁ!」

    隠しきれるわけもなく、芯を持つペニスを扱かれ思わず腰が震える。繊細に糸を、人を操るその指がカリを擽り根元からさらに芯を通す様に上下してゆく。
    直接の快感に身を捩るも腕で制され、さらに指が増やされたのを感じる。

    「ぅ…ぁ、!?」
    「…フフフフフ、ほら、ナカを撫でられるのは気持ちいいだろ?ゆっくり繋げろ、ロシー。気持ちいいだろ?ん?」
    「はっ、…ん!ぁ…!」

    ペニスを扱く手とリンクする様に弱い快感が身体のナカにじわじわと広がってゆく。違和感は薄れむず痒い様な、その場所を掻いて欲しいような。

    「ん、っ!ぅ…んん!」
    「さて、お前の才能はどうだ?ロシー」
    「ふっ…?ぁ!?ゃ!」

    コリっと何かを引っ掻く感覚を覚え次いで押し付けられた弱い電流の様な快感に目を見開く。

    「やっ、!やだ!そこ、や!」
    「あァ…、フフフフフ!ロシー、お前はやっぱり可愛いなァ」
    「っ…!んぅ…!やっ、!こ…わ、ぃ、っ」
    「何にも怖くねェだろ?一緒に気持ちよくなる準備だ」

    口調は優しいものの、熱の混ざる声音にゾワゾワと背筋が震える。
    〝一緒に〟という言葉が脳を侵食してゆく。

    「っ…、ドフィ…」
    「大丈夫だろ?ん?」
    「う、ん……」

    こくりと小さく頷けば先程迄の恐怖が不思議と霧散し、視界に入る唇に小さく唾液を飲み込む。

    …きっと叶えてくれる。願えば、小さく笑いながらおれに与えてくれる…
    不思議と確信をもってそう思えた。
    そっとその唇に指先で触れる。直ぐにその瞳は細められ触れる距離迄降りてくる。

    「何をして欲しいんだ?ロシー」
    「キスして、ドフィ」
    「いい子だ、ちゃんと言えたな」
    「ん、…ふぅ…」

    啄む様に繰り返される口付けに薄く唇を開き舌先を差し出せば褒めるように絡められ、中断されていた指が動きを再開する。漏れる声は飲み込まれ、唾液が顎を伝ってゆく。
    すぐにペニスへの愛撫も与えられ脳が痺れていく。

    「ふっ…!ん、っ!ぅ!」
    「…は…っ、」
    「ぁ!ぅ、んン!」

    先程、引っ掻かれた場所を押し潰す様に刺激され先端を強く扱きあげられれば抗えるわけもなく、びくりと腰が震え熱を吐き出してしまう。
    思わず逸らした唇から流れ込む酸素に小さく咳き込み視線をドフィへと移すがすぐに其れを後悔する。

    「な、っ!んで!」
    「あ?…フフフフフ、濃いな。気持ちよかったか」

    手に吐き出した熱を舐めとる瞬間を目撃してしまい、羞恥に身体が震える。1度高められた熱は吐き出しても尚ぐるぐると身体を侵し脳を侵している。

    「っ…ドフィ…も、う」
    「何だ、やめたいのか?」
    「…違う……1つに、なろ、…なりたい」
    「……はぁ」
    「…」

    吐かれた息を聞きながらじっと見つめる。これは拒否じゃない。確信を持ってそう言える。

    「んン、っ!」
    「…本当にお前は……。力を抜け、辛いぞ」
    「い、いっ…から、っ!!」

    ずるりと指が引き抜かれ息を吐いた瞬間、火傷をするほどの熱が押し当てられ捩じ込まれた呼吸ごと身体を押し出される感覚と強い痛み。

    「はっ…!」
    「っ…、ロシーおれを見ろ」
    「っ…、ドフ、ぃ」
    「おれを見たまま息をしろ」
    「ふっ、…はっ」
    「そうだ、いい子だ…っ」

    ドフィの言うことが正しい。言われるまま酸素を取り込もうと口を開く。
    汗で濡れた額に張り付いた髪を拭われ視線が交わる。額から顎まで優しく唇が滑り身体の力が抜けてゆく、おれのナカでどくりと、おれとは違う鼓動を感じ泣きたくなるような、笑いたいようなごちゃごちゃになった感情が目から流れ落ちる。

    「ロシー、掴まってろ。気にせず爪はたてていい」
    「っ…は、ん…゛」

    呼吸を図りながら腰が進められる。ふと、先程感じた強い痛みが薄れて違う感覚が生まれていることに気付く。

    「はっ…ん、ぅ」
    「痛く、ねェか?」
    「んっ、ん。大丈、んぅ!」
    「っ、…あ?」
    「やっ、そこ、っ」
    「…フッ、何だ、此処が気持ちーか」

    再びぐっと先端を押し付けられびくりと腰が震える。もう一度ソレを味わいたい様な、怖い様な感覚に背に回した手に力がこもる。

    「っ…へ、ん…そこ、やだ」
    「やだ。じゃねェだろ。気持ちいいだ。……動くからな」
    「へ…っ?あっ…!?やっ、ァ!!」

    ずるりと抜けていく感覚に思わず声が漏れ、次いで再び突き上げられた時に身体を支配したのは紛れもない、〝気持ちいい〟

    「んゃ!…ぁ!ぅ、んン!!」
    「っ…フ、フフフフフ!」
    「ンっ!!や、へん、やっ!!」
    「薬が、効いてるとはいえ、予想以上だ」
    「あっ、ふぅ…ん!!や、そこ、」
    「あぁ、気持ちいいなァ?ほら、言ってみろ。此処を突かれると、どうだ?」

    パンパンと腰を打ち付ける音と、ぐりぐりと先程の場所を擦られ思考が溶けてゆく。

    「ひっ、!!ンぁ!…い、っ!気持ちいい…っ、んン!!」
    「そうだ、いい子だ。」
    「んぅ…!はっ、ぁ、あ!や、んー!!い、っ、きもち、っ!」

    1度口に出した瞬間一気に体温が上がり、与えられている快感が正しいのだと身体を支配する。
    兄上がおれの、ナカにいる。やっと、やっと

    「ん…!!あ、にうえ…んッ!!あに、うぇ…!」
    「っ…は、なんだっ」
    「あっ…!ぅ、ん!ひ、とつに、ん!は、なれ、たえ」
    「…お、まえ…はっ!」
    「ひっ!?…ぁ、あぁ!!!!ふ、かっ」
    「煽る事ばかり、言いやがって…っ」

    小さな舌打ちが聞こえた瞬間、強く腰が打ち付けられ跳ねる腰は押さえつけられる。

    「あっ!!や、…!はやい、っ!」
    「はっ…ロシナンテ…っ、お前、は誰のだ?」
    「ひっ!!あ!んんっ…!!」
    「答えろ、っ」

    「ぁあ!!!ん、は、!!え、の!」
    「聞こえねェ、っ!」

    がつん!と音がするほど強く腰を押し付けられチカチカと視界が瞬く。耳に届いた言葉を処理しようとした頭は既に熱で溶けていると思う。

    「の、!ぁ!ん!あ、にう、えのぉ!!」

    「っ、そう、だ…お前が、おれのものに、なりたがった、んだよなァ?」

    「っ!ぁ、ン!!そ、う!!!あに、うぇ…っの、にっ! んぅ…!して、ぇ!」

    ぐちゅぐちゅと音が混ざり始めたナカはきっと媚びるように咥えこんでいる。早くなる腰の動きに、何故か嬉しさを感じ縋り付く。全てを明け渡したら、きっと全て受け入れてくれる。安心感に支配される。

    「あぁ、いい子だ。おれのロシー…っ、愛してるぜ」

    「っ…!!ん!…ぁ、!き、っ!すきっ、!うえ、っ…ん!…ドフィ…っ!も、!イっ…!」

    「っ…は、フフフフフ!初めてでイケるかっ…本当に、いい子だ…っ」
    「ひっ!?あ、っ!?イクっ!!イク…っー!」

    ビクビクと痙攣する身体にぐるぐると身体を侵す熱を吐き出したくて訴えればタラタラと雫を零すペニスへと手が伸ばされ一気に扱きあげられ呆気なく熱を吐き出す。

    「っ!…や!?ァ!い、たぁ!まっ!!や!!」
    「あと、少し…っ…付き合ってくれ。いいだろ、なァ?」
    「ひっ!ぁ!!んン!!!…や、へ、ん!!つよ、いっ!!」
    「ぁ…?逃げ、んなよ…!」
    「っ…!?ぁ、あぁ!!!!??」

    余韻を得る暇も無いまま、強く突き上げられ今までとは違う感覚に逃げようと腰を引いた瞬間引き寄せられ、がん!と深く突き上げられた瞬間強い電流が身体を走りビクビクと腰が痙攣してしまう。

    「っ…く…! 」
    「ぁ、、あつい…っ!や、な、に…っ」
    「っ…はぁ…。フ、フフフ。初めてで、中イキ出来たのか、本当にお前は可愛くていい子だロシー」

    ゆるゆるとナカに吐き出された熱を擦り込む様な動きと小さく痙攣する腰に上手く息が出来ず視界が霞む。覚えているのは、金色だった。




    「……ど、ふぃ?」

    眠っていたのか、浮上した意識の端で理解したのは1人だということ。重だるく痛む身体と滑らかなシーツとガウン。
    記憶の糸を手繰り寄せ、思い出し、理解する。

    「……そう、か。…ドフィ、と」

    断片的ではあるが、状況を理解するには十分だ。
    羞恥が湧き上がり体温も上がるが見咎める者も居ない。
    身体が清められてるのはドフィのおかげだろう。
    部屋を見渡してもその主が見当たらず息を吐く。

    「……」

    ゆっくりとベットから降り床に足をつける。離れた場所にある扉へと歩を進めそっとドアノブを回す。すんなり開いた其れに小さな笑いが漏れすぐに手を離す。考える必要もなく再び閉まった扉に背を向け、ベットへ戻るかと脚を進めた時、視界の端に捉えた鎖に自然と目が細くなる。
    内側に触れぬようベット迄運んだそれは、重苦しい雰囲気を放つが不思議と嫌ではなかった。


    「………すみません。センゴクさん…もう、戻れません…。選んで、しまったから。」

    小さく口の中で零した言葉と、ガチャりと左足首に嵌る海楼石の枷の音。そして、扉の開く音がおれ達の部屋に響いた。


    「いい子にしてたか?ロシー」
    「あァ…いい子か確かめてくれドフィ」

    おれの帰るべき巣はドフィの腕のなかだ…
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