聖魔信仰とは守護たる神を信仰し、相反する存在である魔王を悪とする宗教。魔王を討ち倒す存在として勇者があり、彼らは神からの使者として英雄視されてきた。
ちなみに魔王の定義は地域によって曖昧で、人間の仇敵であったり、悪へと堕ちたかつての神であったり、あるいは闇に属する魔の者たちを統率する帝王だったりと様々。同時に敵対の仕方も様々だが、本来の神と魔王の関係性を知っているのはごく僅かでその多くは禁忌として長い歴史の中に葬られてきた。
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何もない世界に、どこからともなく卵が転がり落ちた。
その卵から孵ったのは小さな女神の赤ん坊。
彼女が泣くと、その涙は種子となって世話役を生み出した。泣き声に合わせて草木は伸び、世界は緑豊かな草原になった。
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