感情が欠けていても。「唯臣はちゃんと人間なん?」
思いがけない質問だった。
「どうしてそんなこと聞くの?」
僕は質問で返した、こういう時はなんて返したらいいのか分からなかったから。
その言葉を聞いた紫夕くんは少し不安そうな顔をして、「あんたと一緒にいると、唯臣は本当に生きてるんかなぁって思うんよ。」と呟いた。
生きてる…か、心臓も動いているし、血も流れている。
…もしかして紫夕くん、僕の事を機械だと思っているのかな。それか宇宙人?前に曙さんが宇宙から来たって話を聞いたけど…もしかして僕も宇宙人なのかな。
人間は人間から産まれる。自分自身が産まれる瞬間を覚えていた訳では無いけれど…僕はきっと。
「僕は人間だよ、紫夕くん。ちゃんと生きてる。」
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