月明かり月の光の冷たさが心地良くて目を閉じた
太陽になりたいと
温もりで心を覆いたいとあなたは泣いていたけれど
それではきっと私は火傷してしまう
闇を照らす眩い光になりたいとあなたは呟いたけれど
そしたら私の目は潰れてしまう
闇に身を横たえる
誰も私を脅かさない
それでも少しだけ怖くて
完全な暗闇では
私が本当にここにいるのかわからなくなって
ただ思考だけが
この暗闇にぽとりと落ちているのではないかと
不安になった
白く柔らかな光は私の輪郭を映し出す
私が確かにここにいると教えてくれる
闇に溶けてしまいそうなほど曖昧でも
私の目には私の指先が映る
それだけでよかった
あなたは風を温めないから
冷たい風が頬に触れると
私は生きてるって思えた
自分の体温の在り処を知った
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