燭台切が作中で「長谷部と伊達政宗公は似ている」という言い方をしていますが。

個人的な解釈で言うと「織田信長のような苛烈な生き方を模倣した者（物）」として、
長谷部と伊達政宗は似ているのかなと思っています。
（長谷部はおそらく先天的に。政宗公は後天的に）

一方で、織田信長の生き方を反面教師にするように。
周囲の人々を大切にしたというのも、彼らの共通点かなと思っています。

伊達政宗公が周囲の人々を大切にしていたのは、家臣らとの関係性や、仙台の発展に貢献したこと、筆まめな性格で多くの手紙が残っているところなどから推測しています。
長谷部が人を大切にしている、という考え方には本丸ごとに差異もあるでしょうが。
おさとうが思うに、彼が織田信長を嫌っている理由の一つとして、家臣の手打ちや寺社の焼き討ちなど、周囲に対する情け容赦のない態度を嫌悪していたからだと思っています（それらを汚れ仕事と認識した上で「俺はこんなことだろうとやりますよ」と審神者に提案している一面から推測）。逆説的に、本当の彼は周囲の人々をできるだけ大切にしたい、敵や不遜な家臣にも情けをかけたい刀なのかなと解釈しています。

ここから、ぷちみちが記憶を取り戻していく過程に入るのですが。
一番最初に手入れ部屋に入った時と、今とで何が違うかと言うと
実は当初から予定していた、2つの鍵があります。

◆折り鶴を持っていること
この鶴には「無事帰還の願い」が込められているので、ほんの少しだけ記憶を取り戻すお手伝いをしてくれます。
けれど、何ら霊的なものが宿っているわけではない、ただの折り鶴なので。さほど決定打というものではありません。

重要なのは、この折り鶴を過去の燭台切光忠が肌身離さず持っていた事実です。
「（おそらく鶴の贈り主であろう）長谷部との絆を大切にしていた」こと、「必ず無事にこの本丸に帰る」という意志を持ち続けていたこと、それらの物証となる折り鶴を目の当たりにしたことで、ぷちみちの意志に変化が生じました。