【つのしっぽ子竜シリーズ】強がりに潜むもの「おれ もう大きくなったから ひとりでも平気だよ」
そう言って一つしかないベッドを指差したダイは、自分なりに寝床を作って休もうとしていた。
最初は成長したことをアピールしたいのかと思って、見守ることにしたんだが。
どうやら、そうではなかったらしい。
───
ある日、デルムリン島に流れ着いた小さな子供。それは竜を思わせる角と尾を携えていた。
身長は100センチにも満たないくらいだろうか。随分弱っていた状態から元気一杯に走り回れるくらい回復してくれたのは良かったんだ。だが。
1週間ほど経った朝、その子供──ダイは、急成長した姿でおれの隣に横たわり、寝息を立てていた。
(…………ダイ、だよな?)
黒髪に金の角、そして逞しい竜の尾。
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